2015-01-01から1年間の記事一覧

ミカンを食べながら沖縄のクネンボを思う

与那原恵さんの「首里城への坂道」の中に、宮古島の子守唄「東里真中(あがずさとんなか)」が出て来る。 蜜柑木(ふにりあ)が うが如んよ 香ばしゃ木が うが如んよ 島覆い 照り上がりよ 国や覆い 照り上がりよ 蜜柑の木が成長するように、香ばしい木が成長…

「酒屋の猫」の童歌と一茶の猫の句

江戸時代に「酒屋の猫」という童歌があった。今は歌われていない。 山中共古「砂払(上)」(岩波文庫)で見つけた。 〽人まねこまね 酒屋の猫が 田楽焼くとて 手を焼いた 文化9年申、長二楼乳足(ちょうじろう ちたり)の洒落本「世界諸事花の下物語」の自…

真珠湾攻撃の8か月前に探察していた記者たち

今日は真珠湾攻撃の日。 古本を読んでいて興味深い箇所に行き当たった。 4人の日本人記者が、攻撃の8か月前の4月上旬に、パール・ハーバー周辺を視察していたのだ。欧州に向かいハワイに寄港した同盟通信の欧州特派員斎藤正躬氏、毎日新聞のニューヨーク…

ハヤブサ密輸団の女ボスはマリというのだそうだ

鷹狩の季節に入ったが、ワシタカ類の宝庫のモンゴルで、アラブ圏への「ハヤブサ密輸」のニュースが報じられている。モンゴル・ニュース電子版で、Γ(ゲー)・ラブジャー記者が、捜査当局がハヤブサ捕獲グループの摘発を始めた、とかいている。 捜索を受けた…

炬燵のない家の猫はベッドにもぐりこむ

多摩動物公園から戻った時、17歳の猫が興奮して家の中を走りまわった。コアラを抱いてきたわけではないが、動物園から獣の匂いを持ち帰ったからか。 ユキヒョウ。長く豊かな尾に驚いた 11月下旬になって、日向ぼこが出来ない曇りや雨の日、猫はベッドの…

多摩へモウコノウマの仔馬に会いに行く

先だって、細と多摩動物公園へ、モウコノウマ(蒙古野馬)の仔馬イルムーンを見にでかけた。坂道を登って、マレーバク、インドサイ、ユキヒョウ、レッサーパンダを過ぎ、「アジアの平原」エリアに到着すると、6月に生まれたイルムーンがいた。 ぬかるんだ土…

逃げたふくろうが気になってしまう

古本屋は、昔から店先に100円の安価な本をならべている。先日、細の実家近くの店の前を通ると、函入りの青柳瑞穂「ささやかな日本発掘」(新潮社、1961年2刷)が棚においてあった。 店主と言葉をかわそうと思ったら、「主人と息子は池袋の古本市に行…

キンクロ飛来と、新平家物語の五輪塔と

日曜日、浦和の別所沼に行くと、キンクロハジロがもうやってきていた。昨年は、キンクロハジロの姿を見かけず、探し回った末、年を越して駒込の六義園で数羽を発見したのだった。 別所沼で数えると、26羽いる。今年はあちこちで見られそうだ。 キンクロハ…

猫のいる中古レコード店で見つけたブラジル盤

先だって、よく行く神保町の古レコード店にはいったら、胸の高さに置いてあるジャズレコードの箱の一角で猫が丸くなってスヤスヤ眠っていた。ぎっしりレコードが詰まった狭い一角に、猫のスペースが作られているのだった。 起こさないように、静かにレコード…

4本の歯を抜いて元気になった猫

17歳になった我が家の猫の歯周病がいよいよひどくなって、スープ状の食べ物しか受け付けなくなった。口の中が痛いのだ。元気がなくなった。 いつもと別の猫専門病院に行って、相談した。年配の先生は、「ほら、見てください」と猫の口をあけて、歯肉から浮…

やぐらを立てて「空中参拝」させた凄い三重塔

五重塔ではないが、櫓を組んで、三重塔の屋根に人を上げた、という寺があるという。 思いきって出かけてみた。来春まで、暇なのである。 埼玉県川口市郊外にある西福寺三重塔。外環道の脇の、台地の丘の上に江戸時代建築の塔がたっていた。高さ23メートル…

ピエール・ロチがまず登った八坂塔

京都の八坂塔(法観寺五重塔)は、今も二層までは、上がることが出来るという。以前には最上階まで上がれたようだ。 明治18年(1885年)秋に、フランス海軍大尉ピエール・ロチが五層までのぼったときの文章が残っている。「秋の日本」(村上菊一郎、吉永…

五重塔に登った人のこと

もうずいぶん昔のこと。母と兄と3人で奈良旅行をした。 どこかで塔を見上げていた僕たちに、寺の関係者が声を掛けてきた。ちょうど、三重塔だか五重塔に誰かが登るところだったので、ついでに、声がかかったのだと思う。幼かった僕を見て「ちょっと無理かな…

モウコノウマの子馬の名称変更にビックリ

多摩動物公園でうまれたモウコノウマの名前が変更された。 イネーフと決まっていたのを、イルムーンになった、と同公園が正式発表した。 ちょっと、びっくりした。 というのも、モンゴル・ニュースのWEB版の記事に、馬の名はИPMYYH(イルムーン)と…

向島の豚骨ラーメン店に飛び込んできたベジタリアン

細が「向島百花園」(東京・墨田区)へ行きたいというので、出かけた。 ついでに向島界隈を散策し、昼過ぎに道沿いの豚骨ラーメン店に入り、客のいないカウンターに座った。 と、40代後半と思しき男性旅行者が勢いよく店に入ってきた。 海外からの旅行者だ…

朝倉彫塑館のインディージョーンズ博士

朝倉彫塑館が気に入っている。内庭に湧水池があり、池を取り巻く和室と廊下。2、3階の広間。一方では天井の高いアトリエ、庭園屋上。数寄屋造りと洋館と一体になっていて、こんなに住みたくなる家屋はほかにない。 それとは別に、この館には、謎めいたこと…

謎めいている朝倉彫塑館の砲丸少年

改装工事後初めて、谷中の朝倉彫塑館へ。屋上庭園から、暮れかかる谷根千、上野界隈の眺望をたのしんだ。 屋上に据えられた少年像は、一か所をじっとみつめていた。家主だった彫刻家朝倉文夫(1883-1964)の「砲丸」という作品。なんでまた、屋根に…

大相撲報道が消えたモンゴルニュース

盛んに、大相撲を報道していたモンゴルの「モンゴル・ニュース」のWEB版が、今場所に限って、全く報道していない。 場所前は、白鵬関のインタビューなどで、充実していたのに。白鵬関は、2020年の東京五輪まで現役で頑張りたいとか、大相撲W杯開催の…

多摩のモウコノウマの仔馬の記事

多摩動物公園で、6月にうまれたモウコノウマ(TAXb=タヒ)のメスの仔馬がすくすくとそだっている、とモンゴル・ニュースのWEB版がつたえている。 2013年に、モンゴルが贈った馬(3頭)から生まれた。昨年オスが生まれたが、翌日に死去してしま…

佐川忠金センセイのあひるに出合った

昼間から細と電車にのって散策にでかけた。 半分用事があったが、はたせずじまい。日差しが強く、喉がかわいたので、生ビールで一休み。みると、向かいに骨董屋のような古道具屋のような店があった。 酔い覚ましもかねて、広い店内をまわっていると、額入り…

真脇遺跡の鳥形土器とミミカイツブリ

秋になって、近所の沼も少し賑わいがもどってきている。 近くにすむ小父さんが、夕方餌をやると、カルガモ、バンが岸によってきた。小さなバンには、さらに小さな2羽のヒナがついてきた。カルガモの激しい動きのなか、赤い額板のバンの親鳥は、餌をくわえる…

森田恒友と大正の「歴史地理」再び

大正時代の学術誌「歴史地理」(大正5年)の表紙や挿絵に、画家で版画家の森田恒友が関わっていたー。と、以前に書いたが、そのまま打っちゃっていた。 翌6年7月の第30巻第1号を手にいれた。森田画伯のものと思しき、同じサインが刷られていた。 同人…

クレオパトラとエジプトの王妃展でも猫探し

動物像が溢れている楽しさ。 東博で開催中の「クレオパトラとエジプト王妃展」に出かけた。クレオパトラとか、エジプト王妃にはさほど関心がないので、動物中心にじっくりと見てみた。 いるいる動物が。例えば、展覧会カタログの表紙写真。アメンヘテプ3世…

タルバガン、オオカミのモンゴルニュース

モンゴルの人気動物、タルバガンに注意、とモンゴル・ニュースが報じている。 草原の齧歯類、タルバガンの間で伝染病が拡大しているからだ。地中に長大な巣穴のトンネルを掘り、地上に愛らしい顔を出す人気者。検出されたのは、西部に限られているが、他地区…

ボブ・ジェームスの演奏で思ったとりとめないこと

知人を誘って、東京ジャズに出かけた。昼の部は、ボブ・ジェームズの「ピアノとオーケストラのための協奏曲」から始まった。東京フィルと一緒に彼がピアノ演奏した。 2011年9月、被災地大船渡に駆けつけた時の体験をもとに、彼が3楽章にねりあげたもの…

江戸の雑俳「武玉川」に描かれた猫

100円で手にいれた岩波文庫「武玉川㈡」の古本をめくる。 江戸中期の雑俳撰集。18世紀に、猫がどう描かれているか探す。 「ほたんに十日猫の食傷」 「手桶て猫を捨る町代」 「乞食の猫の吉原へ来」 「赤猫の折々年を算へられ」 結構、意味が掴みにくい…

僅かに描かれた全米4熊谷一弥の影

細が朝から不機嫌である。錦織が全米オープンテニスで初戦敗退したためだ。深夜TV観戦して応援したという。 ++++++++++++++++++++ 昨年全米オープンで、錦織が準優勝した時、大正7年(1918年)に、ベスト4に進んだ熊谷一弥(く…

猫の墓について副住職はこう言ったが

拾ったのはいいが、手に負えなくなって、知人に引き取ってもらった猫が亡くなった。3年半。拾ったときは子猫だったから、4歳位だったろう。 ガンだったという。病院も代えてできるだけの治療を施してもらったが、短い命だった。余命1か月を言い渡されてか…

ビールを飲む犬だったか。「根府川へ」を読む

サランツエツエグさんのモンゴル語への翻訳がきっかけで、岡本敬三の「根府川へ」を読んだ。しんみりとした気持ちになった。終戦の日の前、モンゴル・ニュースのWEBにアップしたというのも、相当理解をしているのだな、と驚いた。 仕事を辞め、妻からも別…

宮沢賢治歌集に出てきたスガル

以前、ジガバチとスガルのことを書いた。 日本書紀の雄略天皇のくだりに、雷を捕えに行く蜾蠃(すがる)という名の男子が出てくる。蜾蠃という表記は、中国でジガバチのこと。なんで、ジガバチという名がついたのだろうか。 といったことを書いたのだったー…