真脇遺跡の鳥形土器とミミカイツブリ

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 秋になって、近所の沼も少し賑わいがもどってきている。
 近くにすむ小父さんが、夕方餌をやると、カルガモ、バンが岸によってきた。小さなバンには、さらに小さな2羽のヒナがついてきた。カルガモの激しい動きのなか、赤い額板のバンの親鳥は、餌をくわえると、くちばしからくちばしへ、ヒナにあたえていた。

 遠くには、2羽のサギとカイツブリ潜水して捕食するカイツブリは、動物食なのでもちろん、小父さんの餌には無関心だ。

 
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 石川県にある縄文遺跡、真脇遺跡から出土した「鳥形土器」が前々から気になっている。
 高さ9センチ足らず。小さな水鳥がモデルらしい(足の表現がないので)。なんの鳥だろうと、普通はかんがえるのに、考古学者は慎重でなかなか、推定しようとしない。
目の玉の真ん中には、『朱』が施され、一点、目だけがきわ立つ北國新聞社編集局編「縄文からのメッセージ」(社会思想社、86年)。

 赤い目。このヒントがあれば、候補がしぼれそうだ。わが沼のカイツブリは、目が白い(淡黄な)ので、外れる。

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 小形の水鳥かそれに準ずるもので、目の赤が目立つものを探すと、ずばり、

 ミミカイツブリ
 ハジロカイツブリ

 にしぼられた。

 オオバンは、目より白いクチバシが目だつ、バンも赤が目だつのは、クチバシと額板。目が赤いホシハジロは、小形ではなく、頭も赤褐色なので、目が目だたない。
 
 真脇遺跡縄文時代の住民は、イルカ、クジラ漁をした海人族。海に慣れ親しんだ活発な海人と想定できる。
 ミミカイツブリは、英国では「DEVIL DIVER」「HELL DIVER」の異名も持つほど、潜水名人の鳥として認知されている。真脇の縄文人が好んだ鳥としては納得がいく。

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  audubon 描くミミカイツブリ