2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

古麻呂が持ち帰った四騎獅子狩紋錦3

国宝の法隆寺四騎獅子狩紋錦は、だれが長安から日本に持ち込んだのだろう。 「山」「吉」を、安禄山―吉温を表すという仮説を発展させると、遣唐副使の大伴古麻呂(-757)、という結論になる。 唐玄宗皇帝の在位中、安禄山―吉温が幅をきかせていた短い時…

四騎獅子狩紋錦について2

四騎獅子狩紋錦は、ササン朝ペルシア(226-651)で流行したデザインの流れのひとつ。 ペルシャ文物の多くは、シルクロードの貿易活動を担っていたソグド商人が唐にもたらしたと考えられる。 ▼下の写真 新疆の唐墓で出土したソグド人と思われる木俑(「新疆歴…

法隆寺獅子狩紋錦は安禄山を描いたという仮説1

発熱から立ち直ったもののボンヤリしている。 法隆寺の四騎獅子狩紋錦についてのメモ書きをー。 これまでさんざん触れてきた歴史学者の三宅米吉が、私費留学から帰国した明治21年、文部官僚のトップだった九鬼隆一に従って、和歌山、奈良県で神社仏閣の宝…

続・ヘルマン邸のドイツ犬

ヘルマンばかりか当時アジアで暮らしていたドイツ人の多くが、ドイツ犬を飼っていたようだ。シーメンス事件が起きた大正3年(1914年)の夏、日本も第一次世界大戦に参戦。ドイツ、オーストリア、イタリアの三国同盟に宣戦布告した。 大戦勃発を機に英国…

六甲山麓のヘルマン邸とドイツ犬

友だちの歯科医に歯を治療をしてもらう。椅子が後ろに倒されると、腕が伸び縮みする照明機具が見える。機能的な無駄のないデザインの機器に前々から感心していた。 SIEMENSの文字。ドイツ・ミュンヘンの多国籍企業シーメンス製の医療機器らしい。 シ…

9つの目はネストリウス派のイエスか

モンゴル族の祭事用具「9つの目」の起源を想定すれば、常識的には、 1 シャマニズム 2 ラマ教 あたりに落ち着きそうだ。 上掲写真のトゥバのものは、9つの目が、紐で組んだような体裁になっている。まるで、モンゴルで愛好される紐による伝統模様「オルジ…

9つの目をもった不思議な祭事用具

1年がかりで部屋の整理をしているが、片付かない。 昔のモンゴル土産が出てきた。旅人のために、ゲル(テント)生活の遊牧民が、この木製の道具で、馬乳をかき混ぜ、空中に振りまいて、旅の安全を祈願するのだ―漠然とした記憶がよみがえった。 本物にしては…

マン島の尾なし猫は泳ぎも達者なミラーズキャットなのか

英国マン島の尾のない「マンクス猫」MANXのことが、あらためてBBCのHPで紹介されていた。 アイリッシュ海に浮かぶ島、マン島に尾のないものと、短い尾の2種類の猫が生息する。18世紀から島に尾なし猫が住んでいた記述があり、数百年の歴史がある。…

モンゴル草原の黄花梨の椅子

モンゴルの草原に、沢山の石人の文化財が残っている。 私は今まで、突厥時代の古い石人に目がいきがちだったが、もっと新しい時代の石人にがぜん興味が湧いてきたのだ。 というのも、石人の座ってる椅子が素晴らしいことを発見したからだ。 ① ② 曲線が美しい…