2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧
前に書いたけれど、大正時代の始めに発行された「歴史地理」は、著名な画家であり版画家であった森田恒友が表紙やカットを飾る洒落た学術誌だった。 東京に、ひと足遅れて、京都で発行された似た名前の学術誌「歴史と地理」も、デフォルメしたエジプト壁画を…
前に書いたが喜田貞吉という精力的な歴史学者が、論文を書きまくり、発表する場所が足りなくなったので、自ら新規に雑誌を立ち上げた。 大正時代のその「民族と歴史」を10冊ほど手に入れたので、ぱらぱらめくってながめている。 こんな雑誌 読者の報告記や…
森銑三の随筆集「砧」を読んでいたら、幕末から明治の初頭の子供たちの、唱え文句について書いてあった。関心をもったのは、文句に、猫や犬が入っていたから。 「ちん、わん、猫にゃあ、ちゅう、金魚に、放し亀・・」と、長い文句をとなえていた、のだという…
千駄木へいって、店で別々に買物していた息子が、「おやじのスキそうな、ノートがあったよ」と、手に数冊もってきたのが、つるぎ堂の小さなノートだった。「息子はなんで、親の趣味をしっているのだろう」といぶかしくおもいながら、一冊だけ購入した。 その…
ペットといっしょに、家族写真を撮ったのは、このくにでは、いつ頃からなんだろう。 『王様の背中』(内田百閒、旺文社文庫)で、圧倒的な挿絵を手がけた谷中安規のとびらの木版画をみて、思いをめぐらせた。 野外で制服を着たお父さんが、三脚を立てて、奥さ…
なになに、チケットに猫の絵がー。初対面の美女に、出光美術館でひらかれている「仙厓と禅の世界」展の切符をもらった。 猫がえがかれているのなら、ぜひ行かねば、と思う。この猫は、江戸時代後期の禅僧、仙厓義梵(1750-1837)の書画の一部だった…