#犬

銀猫と仔犬

高山寺のことを調べていると、近所の神護寺とともに京の山中の一寺院でありながら、12-13世紀の文化発信の重要な拠点だった、と思うようになった。 結論を急がず、一歩一歩進んでいくとー。 運慶の長男湛慶が高山寺の木彫を手掛けた嘉禄元年(1225…

仔犬と童子と湛慶と

高山寺の仔犬について調べるのに、なにから手を付けていいのやら。 栂尾の高山寺は、今は京都駅からJRバスで55分ほど。簡単に行けるようになった。昔は、高雄の神護寺の先にあるこの山寺は遠かったはずである。 大正11年に鉄道省が発行した「お寺まゐ…

西行の猫と明恵の仔犬

もう7年も前、私は、西行法師が71歳の時に17歳の明恵上人と会った、と軽率に書いた。これが怪しいことが、今回の銀猫探索で分かった。 2人が会ったことは、明恵の弟子喜海が書いた「明惠上人伝記」に記されている。そこで、確かめてみた。 西行は出て…

古本店の店仕舞い

本郷三丁目交差点にある古本店が、店仕舞いする。地下鉄で2駅、出かけてみると、おかみさんが坐っていて、あと1年頑張るといっていたんだけど、主人の体力がもうもたないと、4月で閉めることにきめた、といわれた。コロナとは無関係で、理由は高齢による…

隠し犬と袋猫

通勤中、停車したとある駅。ホームで、ジャンパーを着た中年女性がいて、懐からムク犬が顔を出していた。反対側の電車に乗るらしい。 コロナ騒ぎもあって、空いた下り電車なので、トラブルはなさそうだが、ペットは確か「容器に収納」が原則(手回り品切符を…

早朝散歩と「犬の樹」

運動不足になっているので、天気が良ければ午前6時前後、川沿いの道を隣駅近くまで歩いて、戻ってくる散歩をしている。親子、夫婦連れでジョギングする人も、結構多い。 川岸の桜並木は、花が終わってもうつまらないが、ハナミズキの並木は見事に咲き誇って…

明治34年の「考古界」

前に触れた明治時代の考古学、人類学の学者若林勝邦氏、坪井正五郎氏らの当時の活動ぶりを知りたくて、明治34年に発行された学術誌「考古界」を古本店から取り寄せた。 同誌は明治28年に設立された「考古学会」の機関誌。設立に奔走した若林氏、三宅米吉…

「犬猫人間」の装丁

長谷川如是閑にばかりとらわれていられないが、随筆集「犬猫人間」(改造社)の本の作りも変わっている。 手元に古本店から入手した大正13年の初版本があるが、表紙の題字が絵文字なのだ。函があったのかは不明だが、表紙は御覧の通りで、これだけ見たらタ…

スピッツ犬「シロ子嬢」を読む

猫をきっかけに、長谷川如是閑(1875-1969)の文章を少しばかり読んでみると、大変偏った興味深い人物に思えてきた。 1.人間より犬が好きだと公言し続けていたこと。 2.「断じて行わず」をモットーに、決して行動の人とならなかったこと。 一に…

描かれていたワーズワースの犬

英国ヴィクトリア朝を代表する動物画家がいて、湖水地方ヘルヴェリンの忠犬の絵を描いているのを知った。 その犬は意外にも、前回推定したテリアではなかった。 画家はエドウィン・ランドシーア(1802-1873)というロンドン生まれで、トラファルガ…

ワーズワースの忠犬に出くわした

英文学者の工藤好美さんを追いかけているうちに、英国ロマン主義文学のことも少し理解しないとならなくなった。 工藤さんは、昭和6年(1931)に「コウルリヂ研究」を上梓したが、コウルリッジはワーズワースの友人で知られるロマン主義の詩人。工藤さん…

野良猫、野良犬と山頭火の交流

青空文庫で、俳人の種田山頭火の日記に目を通していくと、たくさんの心惹かれるものと出くわした。 例えば、犬と猫との逸話。1940年10月11日に松山市の一草庵で57歳の生涯を終える前に、犬と猫が「一草庵日記」に登場する。ともに、野良である。 …

カラフト犬の犬ゾリについて犬飼さんの記述

近所に住む、サングラス姿で派手な服装をする老齢の女性と知り合って、立ち話をするようになった。 ある時、おばあさんが樺太の落合生まれだと知った。珍しいので、「故郷に帰ってみたいですか」と聞いた。「すぐ北海道に移ったし、あまり思い出がないんです…

動物たちの立候補

今年11月の米カンザス州知事選に、6人の少年とともに、犬のアンガス(3歳)が立候補しようとしたとの報道があった。少年は認められたが、犬は選管からはねられた。SCHOOLBOYとある。米では、カンザス州のほか、ヴァーモント、マサチューセッツ…

ネモを通してフランス犬の命名について知ったこと

新しい猫の名前は、さんざん考えて、結局、前の猫の名前の一部をとって「ころりん」に決まった。命名は難しい。 フランス大統領マクロン夫妻は、就任後、慣例になっている大統領官邸の犬(ファースト・ドッグ)を、アニマル・レスキューセンターで選ぶことに…

犬の星に乗って

見上げれば、冬の夜空に青白く光るシリウス。 余すところ今年も10日となってしまった。 詩人の笹沢美明が12月のあとは13月が来るのだと思えばいい、という詩を書いていたと記憶する。でも、それは無理だ。 オリオン座の近く、全1等星のなかで最も明る…

続・ヘルマン邸のドイツ犬

ヘルマンばかりか、当時アジアで暮らしていたドイツ人は、ドイツ犬を飼っていたようだ。シーメンス事件が起きた大正3年(1914年)の夏、日本も第一次世界大戦に参戦。ドイツ、オーストリア、イタリアの三国同盟に宣戦布告した。 大戦勃発を機に、英国な…

六甲山麓のヘルマン邸とドイツ犬

また、友だちの歯科医に、歯を治療をしてもらう。椅子が後ろに倒されると、腕が伸び縮みする照明機具が見える。機能的な無駄のないデザインの機器には前々から感心していた。 SIEMENSの文字。ドイツ・ミュンヘンの多国籍企業、シーメンス製の医療機器…

訂正:正倉院の猫犬薬は猛毒ヤカツだった

正倉院の「猫犬薬」は、薬でなくて猛毒だった。 先に、昭和23年発行の「正倉院文化」の古本を読んで、正倉院に「烏薬(ウヤク)」が収蔵されている、 という記述に出くわしたことにふれた。ウヤクは、江戸時代に犬猫の薬として用いられたとも。 気になって…

正倉院の犬猫用漢方薬

年末は、テレビで探偵ものをよく見た。 劇中、毒殺シーンが出てきたが、青酸カリでも、トリカブト、ジギタリス、ふぐ毒によるのでもなかった。 「科捜研」は、イチイの木の種。イチイは薬だが、種にはタキシンという猛毒が含まれるという。ドラマでは、京都…

ビールを飲む犬だったか。「根府川へ」を読む

サランツエツエグさんのモンゴル語への翻訳がきっかけで、岡本敬三の「根府川へ」を読んだ。しんみりとした気持ちになった。終戦の日の前、モンゴル・ニュースのWEBにアップしたというのも、相当理解をしているのだな、と驚いた。 仕事を辞め、妻からも別…

本の背の動物、植物たち

やっと風邪から立ち直った。 ぼんやりと、本棚をながめて、動、植物を発見する。 NYの大手出版社のNORTONとKNOPFの本の背には、鳥と犬がいた。 KNOPFの巻尾の犬は、ボルゾイだった。ロシア帝国の貴族たちが好み、オオカミ狩りをした大型の…

カワセミを見て犬を思い浮かべる感覚

モンゴルのカワセミ。 モンゴルの青少年百科事典に描かれたカワセミ モンゴルでは、カワセミは、「犬」に関連付けて命名されている。HOXOЙ ΓAΛУУ(ノホイ ガロー)=犬の雁、犬のガチョウ、とか、HOXOЙ ШOΓШИΓ(ノホイ ショグシグ)=犬のショグシ…

イランの日本人妻とイスラム犬事情

イランで生活する日本人女性が、アパートから娘さんと犬の散歩に出るとき、住人のイラン男性からののしられる光景がテレビで放送された。 ぎょっとした。 犬を飼っていることを、怒っているのだ。敬虔なイスラム教徒の、犬嫌いは半端じゃない、と思った。と…

昭和9年、犬と記念撮影した家族

ペットといっしょに、家族写真を撮ったのは、このくにでは、いつ頃からなんだろう。 『王様の背中』(内田百閒、旺文社文庫)で、圧倒的な挿絵を手がけた谷中安規のとびらの木版画をみて、思いをめぐらせた。 野外で制服を着たお父さんが、三脚を立てて、奥さ…

「お手」をするセルジュクトルコの猟犬

「トルコの陶芸」の犬の絵をながめながら、犬のお手についてかんがえた。 13世紀初めのセルジュク・トルコのタイルにえがかれた猟犬。 右前脚をもちあげている。「お手の原形」ではないかと。 この猟犬の特徴をかんがえてみた。 1)前脚をあげている→ とび…

カワウソ犬は日本版レトリーバーか

信濃に、モズで鷹狩をする超絶技巧の名人が13世紀にいたが、さらに、魚を捕る「ミサゴ腹の鷹」も鷹狩でもちいていたらしい。 二本松泰子さんの「中世鷹書の文化伝承」(三弥井書店)で、しった。「西園寺家鷹口伝」というのがあって、こい丸(鯉丸)という…

300年前のイラストレーターに興味津々

和漢三才図会のイラストレーターの悪口をかいたが、このイラストレーターはにくめないところがある。 鷹匠の次の項目は「遊偵」。遊偵という言葉を、しらなかった。 「志のひのもの」とあるか。忍びの者のことだった。 念のため、「広辞苑」を「ゆうてい」で…

犬を負ぶった平安時代の犬飼におもうこと

黄金週間の一日、 3家族があつまって、知人宅の庭で恒例のバーベキューをした。 2家族の主人は、はたらきざかりの最中、相ついで、なくなってしまったので、 ご主人たちの、在りし日をしのぶBBQにもなっている。 今年は、猫の話でもりあがった。 みな、…

HOWLかBARKか、隼人の犬吠え

モンゴル・ロシヤ・ドイツ辞典の「おおかみ」 吠えるといっても、オオカミの「howl 」か 犬の「bark」か、の違いがある。 はて、今まで書いてきた、「隼人」のことが気になった。 隼人は、古代、宮廷を守護し、南の方位にあたる門で、大事な行事があ…