2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

危ないキノコ狩

高校時代、諏訪の寺に泊まり、キノコ採りをした思い出がある。 夏休みにその寺でひと夏過ごしていたのだが、なぜ秋に行って、友達とキノコ採りしたのか、思い出せない。ただ、いっぺんキノコ採りなるものを体験したかったことは覚えている。 入笠山の麓、富…

地の果てまで這うヒキガエル

出雲神話や万葉集に登場するヒキガエルは、「国土の隅々まで知り尽くした動物」と見られている。ちょっと、分かりにくい。 ヒキガエルは、万葉集の2首にタニグクの名称で登場する。 1)山上憶良が、家族を見捨てて暮らす男(たち)を諭す歌(巻5-800…

物知りのヒキガエル

蛙の傘(ヒキノカサ)という小さな野草は、茎が日に日に伸びている。結構逞しいかもしれない。 カエルは愛嬌があって好ましい。確か、チベット近くの岷江沿いの岸壁に、カエルの大きな絵が残っていて、この辺の少数民族が古代からカエルの信仰を持っていたと…

蛙の傘を択んだ

細に付き合って、植物園近くで開催されている「山野草の展示会」について行った。ホトトギス、ダイモンジソウ、エビネ、トリカブト、各種のノギク、スゲと、愛好家が出品した自慢の小鉢が並んでいた。 私は、モウコノギクという、モンゴルの名がついた青色の…

熊が歌った「本当になくてはならないもの」

大分前になるが、コロナ流行のさなか、英国のラジオタイムズ誌がディズニーアニメに関するアンケート調査をした。英国人に影響を与えたディズニーアニメのことが伺えて興味深かった。 「The biggest tearjerker」もっとも涙を誘った作品は「バンビ」。これは…

平鯛クッキング

魚屋で、「三重・平鯛」と書かれた店のお勧めの魚を買った。店のお兄さんが「下ろしましょうか」というので、「このままで結構。うちで三枚におろしますから」と、太った一尾を選んだ。 鱗取で鱗を取り、包丁で取り残しを探す。腹に切れ目を入れ、腸を取り、…

象のイラスト入り判子

江戸時代後期、江戸神田の粉屋に生まれた石塚豊芥子(1799-1861)は、古書の収集に精出し、山東京伝ら当時の売れっ子作家と付き合う文人だった。 文化10年(1813)年に長崎の出島に到着した象に関心を持ち、100年ほど前の享保年間に渡来した象…

首里之印、普猷の印

書棚にある伊波普猷の「古琉球」(昭和17年)を開くと、大きな印章の写真が掲載されている。 清の康熙帝からの冊使が、琉球国王に送った「琉球国王之印」。 清と琉球国間でやり取りする文書で使用するものだ。国王の尚質(1629-1668)が、康熙帝に…