2024-01-01から1年間の記事一覧

猫の毛抜け毛

左ひざを痛め、車いす、松葉杖の日を送ったが、杖で歩けるようになった。 近所にリハビリのマッサージに通い出したところ、2人の女性理学療法士がいうのは、「犬か猫を飼っていますか」。 ズボンに白い毛が付いていたからだった。 「猫の方を飼っています」…

大正時代「歴史と地理」の表紙は藤原太一の作品か

以前に大正時代の学術誌の表紙デザインで、 東京の「歴史地理」と 京都の「歴史と地理」が 際立って個性的であることを書いた。 そして「歴史地理」は一時洋画家森田恒友がかかわっていたのではないかと推測し、「歴史と地理」の表紙(図上)を書いた人物は…

帝都復興の検印紙を見つけた

古本の著者検印について、しばらく書いていないが、興味深い検印紙と出くわした。「帝都復興に 努力しませう」と、大正12年9月1日に発生した関東大震災被災後に、特別に拵えた紅玉堂書店の検印紙を見つけたのだ。 同出版社の住所は、東京市日本橋区元大…

未乾画伯と壽岳文章

「書物」の訳編者壽岳文章(1900-1992)という人物は大した方なのであるが、前に「セルボーン博物誌」(岩波文庫、49年)の訳者として触れたことがある。 ホワイトが1767年に刊行した英国南部の動物誌「セルボーンの博物誌」の翻訳にあたって…

猫本作りに熱が入って

2冊目の猫本が出来た。 人に読んでもらいたいと思ったわけでなく、こういう本を作りたいと思ったのである。限られた部数の私家版で―。 知り合いの編集スタジオのスタッフに、長谷川巳之吉の第一書房が刊行した「野口米次郎ブックレット」を手渡し、「このサ…

銀猫を31両で売った西行法師

北尾派の祖で、江戸時代中期に江戸の絵本を仕切っていた絵師北尾重政(1739-1820)の門下には、優秀な3人が居た。絵師としてばかりか戯作者として活躍するものもいた。 窪俊満(南陀伽紫蘭。1757-1820) 北尾政演(山東京伝。1761-…

五劫院の見返り地蔵と大仏殿の女人参詣

見返り仏について探っているが、次に地蔵ついて整理してみた。 日本の中世、どうして地蔵がクローズアップされたのだろう。 どうやら日本製の経典(偽経)が大きく働いているようなのだ。 まずは、地蔵を慕う老尼の姿を追ってみる。 地藏は忙しく毎朝歩き回…

見かえり阿弥陀像と東大寺東南院

普段は公開されないが、京都東山の永観堂禅林寺に見返り阿弥陀如来像が安置されている。顔を左に向け、肩越しに視線をやっている。 「本尊みかへり阿弥陀仏は世に名高し」(「京都名勝帖」明治42年、風月堂)と、珍しい仏の姿は古くから信仰されてきたこと…

見返り地蔵と目蓮口説

孫たちが埼玉県こども動物自然公園(東松山市)に行ってポニーに乗ってきたと喜んでいる。動物公園から坂を上った近くに岩殿観音があり、今度は一緒に寺の近くを散策したいと思う。寺の参道を下って行くと、阿弥陀堂跡に池があり、立派な板碑や石仏が並んで…