2013-01-01から1年間の記事一覧

トンボのやじろべえと天秤と

居間のガラスケースに竹細工のトンボがあった。細が、松の剪定など、庭の手入れを仕込まれた先生に、トンボの竹細工も教わって作ったものだという。 日本の伝統の玩具らしい。 細い棒の柱に、蜻蛉の頭の先を、チョコンと載せると、均衡がとれて揺れながら安…

トンボは渦巻を盗む者?

トンボの話の続き。 トンボに親しみを持っているのは、日本がいちばんかもしれない。 例えば、モンゴル。トンボに対する無関心さにはおどろいてしまう。モンゴル語で、トンボのことを3つくらいの言葉で表すが、そのうちの一つ、ウルム・ホルガイチを、 モン…

首里で出土のベトナム蜻蛉文で思ったこと

沖縄の遺跡で、東南アジアの古い陶磁器が発見されているが、蜻蛉が描かれたベトナム茶碗=安南焼が、首里城東の天界寺跡で出土していた。今回の24時間の沖縄旅行で知った。15世紀のものという。 愛嬌ある蜻蛉文様。日本の蜻蛉と違うのは、1)大きな目に…

師走だからか、鐘が気になる

近所の寺(真言宗豊山派)は、除夜の鐘を参詣客に自由に撞かせてくれたので、長男を連れて出かけたものだ。力むと、大きな音も、いい音もでないことが分かった。近所に住民がふえてからは、早々と長い列ができ、撞くのはやめにした。 鐘というものは、除夜で…

江戸の美術館だった、回遊式さざえ堂、羅漢堂

「以文会筆記抄」のつづき。 江戸時代の文化年間、京都の趣味人が江戸にでて、本所羅漢寺で「阿蘭陀油絵」をみてきた話を前にかいたけれど、「本所羅漢寺」なら、さもありなん、と思った。 18世紀後半、江戸っ子の好奇心のたかまりから、仏教寺院でも、回…

司馬江漢も京都で不思議話をしていたか

『以文会筆記抄』を読みすすめる。 京都の以文会には、江戸時代の画家・司馬江漢も入洛の際に出席している。 江戸・本所羅漢寺の阿蘭陀油絵について語ったのが、春暁でなく江漢なら面白いのだが、 江漢が京都に滞在したのは、文化9年(1812)の8-10月。11…

1725年、謎のオランダ油絵

江戸時代・文化年間。京都の以文会のメンバーには、高倉六角南に住む松山藩留守居役の金子風竹、洛西西院村の近藤式部、麩屋町六角北の小島濤山などがいた。 みな好事家なりの得意ジャンルがあり、画家の話となれば、メンバーでは、挿絵や伽藍図、俯瞰図など…

応挙の馬の絵、鶏の絵の噂話

石山寺の塔頭の紅葉。今年の紅葉はどうなのだろう。 京都での大正時代の文人の興味深い集まりについて、前に少しふれたが、江戸時代からの伝統らしい。 江戸時代後期の京都で、毎月10日になると、医師や文人が集って知識を交換していたのを知った。 「 以文…

アラブの猫の鳴き声は

息子がやってきたので、昨日は、2人がかりで、猫を動物病院につれていった。定期健診。採血して腎臓の様子をみてもらう。 問診で、「どうですか、猫ちゃんの様子は」と先生が聞くので、「便秘気味です」とこたえる。「ウンチの状態はどうですか」猫は、我々…

大正時代、京都の気になる挿絵画家

前に書いたけれど、大正時代の始めに発行された「歴史地理」は、著名な画家であり版画家であった森田恒友が表紙やカットを飾る洒落た学術誌だった。 東京に、ひと足遅れて、京都で発行された似た名前の学術誌「歴史と地理」も、デフォルメしたエジプト壁画を…

通夜で猫を近づけるな!の訳は

前に書いたが喜田貞吉という精力的な歴史学者が、論文を書きまくり、発表する場所が足りなくなったので、自ら新規に雑誌を立ち上げた。 大正時代のその「民族と歴史」を10冊ほど手に入れたので、ぱらぱらめくってながめている。 こんな雑誌 読者の報告記や…

猫が損した幕末の人気双六

森銑三の随筆集「砧」を読んでいたら、幕末から明治の初頭の子供たちの、唱え文句について書いてあった。関心をもったのは、文句に、猫や犬が入っていたから。 「ちん、わん、猫にゃあ、ちゅう、金魚に、放し亀・・」と、長い文句をとなえていた、のだという…

つるぎ堂の猫ノートと、蕙斎の猫の略画と

千駄木へいって、店で別々に買物していた息子が、「おやじのスキそうな、ノートがあったよ」と、手に数冊もってきたのが、つるぎ堂の小さなノートだった。「息子はなんで、親の趣味をしっているのだろう」といぶかしくおもいながら、一冊だけ購入した。 その…

昭和9年、犬と記念撮影した家族

ペットといっしょに、家族写真を撮ったのは、このくにでは、いつ頃からなんだろう。 『王様の背中』(内田百閒、旺文社文庫)で、圧倒的な挿絵を手がけた谷中安規のとびらの木版画をみて、思いをめぐらせた。 野外で制服を着たお父さんが、三脚を立てて、奥さ…

遅まきながら仙厓和尚の猫を知る

なになに、チケットに猫の絵がー。初対面の美女に、出光美術館でひらかれている「仙厓と禅の世界」展の切符をもらった。 猫がえがかれているのなら、ぜひ行かねば、と思う。この猫は、江戸時代後期の禅僧、仙厓義梵(1750-1837)の書画の一部だった…

猫にカツオの中落ちを

夕方魚店の磯友に久しぶりに細と顔を出した。店では猫を2匹飼っている。 ノラだったが、今では住みついて部屋の中で暮らしている。一匹は猫は駐車場で毛づくろいをしていた。 オヤジさんが玄関で猫に声を掛けると、猫はニャオと応えて裏口から家に上った。 …

床屋のオヤジさんが「出題した」判じもの

床屋へいくと、近所の情報やら思いがけない話が耳にはいる。 きょうは床屋のオヤジさんが、突然床屋と落語の話を語り出した。 「落語と床屋は似たところが多いんです」。 「落語に『無精床』『ぞろぞろ』と床屋の話はあるけど」と応じると、「いやね」とさえ…

「お手」をするセルジュクトルコの猟犬

「トルコの陶芸」の犬の絵をながめながら、犬のお手について考えた。 13世紀初めのセルジュク・トルコのタイルに描かれた猟犬。 右前脚を持ち上げている。これは「お手の原形」ではないかと。 この猟犬の特徴について考えてみた。 1)前脚をあげている→ と…

イスタンブールの鷹を見逃していた

鷹狩のことを考えているせいか、夏場、鷹のTシャツを着て過ごした。 季節が変わり、トニー・ベネットの来日公演を聴いて感動し、その足で神保町の古本街を覗いた。ある本を見つけ、鷹狩で、大きなことを見逃していたことに気づいた。 「トルコの陶芸 チニリ…

仕事の合間に猫を見にいったわけでは

渋谷・神南の「たばこと塩の博物館」が今月いっぱいで移転のため閉館するので、仕事の合間にあわてて出かけた。 展示物には、犬や猫のイラスト入りの興味深い明治時代のマッチがあった。 鼠を追う猫のデザイン=上図=は、猫はペットではなく鼠を捕る役目を…

フラミンゴのLPジャケットに飛びついた

立川のホテルで祝い事の会合に出たあと、古レコード店があったので、寄ってみた。ジャズLPの箱に、鳥が飛翔する大胆な図柄のジャケットがあった。 ギタリストのバリー・ガルブレイス(1919-1983)のアルバムだった。サイドマンとして、数々の名盤…

とりとめのない化け猫話

猫が老婆に化ける話が、江戸時代、各地で広がっていた。 不思議なのは、「耳袋」に、武家が、母親を化け猫だと確信して、斬り殺してしまう話が2つ掲載されていることだ。 奉行の根岸鎮衛が巷間に流布する不思議な話を集めたものだから、実話でないとしても…

猫が「化け猫」に間違えられないためには

上越・浦佐の毘沙門堂の猫面がきっかけで、化け猫のことが気になっている。 化け猫の判定材料のひとつは、猫が人語を話すこと。 我が家の飼猫も、毛玉をはいたときや、餌を食べた後、のどの奥で、ムニャムニャと声を発することがある。 ミャーとか、ニャーと…

コチャバンバ行きのバスで白亜紀まで

高校時代の友達たちと、魚百でのむことになって、神保町にでかけたら、1時間も早くついたので、古レコード店、古本ガレッジセールで買物をし、伯剌西爾珈琲で時間をつぶした。 その時、永井龍男「コチャバンバ行き」(72年)の初版が二束三文の扱いだった…

戦前の「台湾小説」を読んで、日本が106度と気づく

台湾で再評価されている画家の立石鉄臣さんについては、何度か触れてきたが、立石さんが装丁した戦前の植民地時代の「台湾本」を手に入れて読んでいる。 濱田隼雄の小説「南方移民村」(昭和17年、海洋文化社)。立石さんが装丁した台湾本は、高価で取引さ…

滋賀県のオルドス式銅剣から想像してみる

琵琶湖の北西岸の高島市の弥生遺跡から、オルドス式風の銅剣の鋳型が発見され、日経ほか一般紙が大きくとりあげていた。長さは、29・5㌢。 鋳型が拵えた銅剣を再現すると、こうなるらしい=左下。 オルドス式銅剣は こんなだから、柄頭の2つの輪=双環が…

旅行で出くわした猫面と聖徳太子

旅の終わり、上越新幹線・浦佐駅前、毘沙門堂の石段下の店で、猫面を見つけた。 白猫と黒猫の、大小4種類。紙製。ちょいと怖い顔をしているが、猫だからいいかと、白の小を買った。裏を見ると、毘沙門堂の「化け猫」で、魔よけだった。 毘沙門堂の化け猫に…

長岡花火で思ったこと

知人にさそわれて、長岡花火をたのしんできた。スケールにおどろいた。フェニックスという花火は、信濃川に沿って、光のドームが出来あがる。高々と打ち上げられた正三尺玉は、天空で開花し、こちらに、光が降りそそいでくる。 平日であろうと、長岡空襲の慰…

「田園」探して、休日に思い巡らせたこと

というわけで、日曜日、ベートーヴェンの「田園」をじっくり聞いてみた。わがレコード棚、CDボックスに、この名曲が見あたらず、DISK UNIONで、中古CDを買ってきた。中古は1種類しかなくて、カラヤン指揮、ベルリンフィルの76年の演奏だった…

ベートーベンでサヨナキドリの声を確かめること

村上春樹の新作『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」に登場する、親鳥が子に鳴き方をおしえるノルウエーの鳥はヤブサヨナキドリだ、と前に推測した。 いい声をしているけれど、カッコーとかホーホケキョとか、簡単に、カタカナ表現できない色々な鳴…