トンボ

ふなかわ・みかんの装幀本

天明期の京の俳人富土卵(とみ・とらん)の手がかりを求めていくと、親交のあった俳人西村定雅に行き当たった。土卵は、京で人気だった定雅の洒落本に影響を受けて洒落本を書いたとされ、二人は京都東山の雙林寺の門前で近所付き合いをしていた。 大正時代に…

ギンヤンマのギボから国見を夢想する

動物学者筒井嘉隆さんの「町人学者の博物記」(河出書房新社、87年)を古本屋で見つけ、「子供のころの 大阪市内の動物」という文章を読んでいたら、「ヤンマ」が出て来た。 筒井さんは、 大阪市西区北堀江 に生まれ、今は埋め立てられた堀江川でギンヤンマ…

トンボのやじろべえと天秤と

居間のガラスケースに竹細工のトンボがあった。細が、松の剪定など、庭の手入れを仕込まれた先生に、トンボの竹細工も教わって作ったものだという。 日本の伝統の玩具らしい。 細い棒の柱に、蜻蛉の頭の先を、チョコンと載せると、均衡がとれて揺れながら安…

トンボは渦巻を盗む者?

トンボの話の続き。 トンボに親しみを持っているのは、日本がいちばんかもしれない。 例えば、モンゴル。トンボに対する無関心さにはおどろいてしまう。モンゴル語で、トンボのことを3つくらいの言葉で表すが、そのうちの一つ、ウルム・ホルガイチを、 モン…

首里で出土のベトナム蜻蛉文で思ったこと

沖縄の遺跡で、東南アジアの古い陶磁器が発見されているが、蜻蛉が描かれたベトナム茶碗=安南焼が、首里城東の天界寺跡で出土していた。今回の24時間の沖縄旅行で知った。15世紀のものという。 愛嬌ある蜻蛉文様。日本の蜻蛉と違うのは、1)大きな目に…