2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

隠し犬と袋猫

通勤中、停車したとある駅。ホームで、ジャンパーを着た中年女性がいて、懐からムク犬が顔を出していた。反対側の電車に乗るらしい。 コロナ騒ぎもあって、空いた下り電車なので、トラブルはなさそうだが、ペットは確か「容器に収納」が原則(手回り品切符を…

ホフマンとのすれ違い

若いころ、細と幾度か台湾旅行に出かけ、台北の繁華街でショッピングを楽しみ、レコード店でも買い物をしたものだった。台湾、香港の歌手のカセットテープのなかに、クラシック音楽のテープも置いてあり、漢字表記のアシュケナージのカセットを見つけ買った…

猫とアシュケナージを聴いてみる

猫と一緒に、アシュケナージの演奏を聴きながら、つらつら、思ってみる。 アシュケナージは、20歳ほど年長のソ連の2人のピアニスト、ギレリスやリヒテルをどう見ていたのだろう。確認してみた。 「アシュケナージ 自由への旅」によると、音楽院に入学した…

ソ連時代のアシュケナージ

かつて社会主義体制のころのA国の在日大使館に、知人と出かけたことがある。大使館員と雑談をしていると、大使館員は急に、知人の持つ情報に関心を持ったらしく、机のスイッチを入れ、改まった様子で声を大きくして、A国の言葉で質問しだした。 私はあっけ…

ライナーの伝記に記されたギレリス

私が好きな指揮者は、フリッツ・ライナー(1888-1963)。ハンガリー出身で、渡米後、主にはシカゴ交響楽団で活動した。DVDで指揮の様子を見ると、ほとんど腕を動かさず、大変地味なものだ。今だったら絶対人気が出そうにない。重度の肩こりのせ…

惚れ惚れとする若き日のギレリス

猫のいる古レコード店で、手に入れたギレリスのLPがほかにもある。 若き頃の演奏録音を編集して、87年にソ連のメロディアから発売されたものだ。 モスクワで急死して2年後。LPには追悼の意味があったのだろう。 若き日のキリっとした表情の写真を嵌め込…

ギレリスとリヒテルに関するメモ

ギレリスについて、自分なりに整理してみた。 エミール・ギレリス(1916-1985)は、16歳の時、1933年全ソビエトピアノコンクールで優勝した。これがその後の運命を決めてしまった。 ソ連の独裁指導者たちは、「芸術活動」をさかんに政治利用し…

エミール・ギレリスの最期

猫のいる古レコード店で手に入れたサイン入りLPのせいで、ソ連時代のピアニスト、エミール・ギレリス(1916-1985)のことを知りたくなったと、前に記した。 とくに、LPに入っていたプログラムの英国リサイタルの翌85年に、モスクワで突然死しているの…

蕪村とクッキング

休日は、いつも細に代わって朝食を作る。 簡単なもので済まそうと、昨日は肉汁うどん。 今朝は、納豆スパゲッティとベーコンと玉葱のコンソメスープ。 簡単メニューだが、納豆には味噌を加え、スープには白ワインを入れ若干の工夫はしている。 葱買て枯木の…

騎牛の水滴と年賀状

本棚に牛を象った陶器がある。そろそろ年賀状を作る時節なので、来年の干支の丑(うし)に目がいってしまう。 書道用の水滴で、背中の穴から水を入れ、牛の口から硯の墨池に注ぐようになっている。細の祖父が使っていたもので、墨で黒くなった悪戯の跡もある…