モンゴル

馬来田が「まぐだ」と読める訳

モンゴル語は「母音調和」があり母音の多いことで知られるが、日本語も古代は「上代特殊仮名遣」があって、音によっては甲類乙類に別れ、母音の数も8種類あったと想定されている。日本語とモンゴル語は共通項が多いのだ。 以前、モンゴル語の音韻変化の特徴…

蛙の傘を択んだ

細に付き合って、植物園近くで開催されている「山野草の展示会」について行った。ホトトギス、ダイモンジソウ、エビネ、トリカブト、各種のノギク、スゲと、愛好家が出品した自慢の小鉢が並んでいた。 私は、モウコノギクという、モンゴルの名がついた青色の…

定着した「カチコシ」

出勤しない日は、大相撲秋場所をTV観戦して楽しんでいる。 両横綱が休場しても、休場したなりの楽しみがあるものだ。伸び盛りの下位力士(翔猿、若隆景)が活躍し、賜杯争いを面白くしている。力を抜いた怪しげな土俵も見かけない。ガチでぶつかっている関…

玉鷲関の美しいワシ浴衣

昨年細と泊まった秩父の温泉宿は、元力士が経営していて、浴衣も実際の現役力士のオリジナル浴衣を選ぶことができた。 私は、ちょっと色が派手だったが、鷲の模様にひかれて、すぐに決めた。 モンゴル・ウランバートル出身の玉鷲関のものだった。 ワシは、紐…

新村出の「南方記」から思ったこと

神保町の三茶書房で、新村出の「南方記」を見つけ読んでいる。 明治書院から昭和18年に上梓されたものだった。戦時下の出版で、日本軍の南進を祝福しながら、専門の南方由来の日本語などの蘊蓄を披露している。新村は「広辞苑」の編著でおなじみ。 その中…

ダルマと九重塔の風鐸

昔、モンゴルの寺院を訪ねたときに、2階の軒の隅に吊るされた風鐸が揺れて、音が鳴り続けたのを覚えている。草原の風が強かったのだろう。 同行した女性歌手Kさんが「あの鐘はなんといったらいいのか知ってる?」 と聞いた。 「風鐸だと思います」。 すん…

ロボロフスキーの探検記をかじってみると

ロボロフスキーの中央アジアへの1893年の探検記は残っているが、ロシア語なので読みこなせない。ほんの一部、英訳されているものがあった。 トルグート(モンゴル系オイラトの一部族)の住むユルドゥズ草原を通過した時の様子を伝えている箇所だ。 「ト…

ハムスターに残るロシア探検家の名

年末、細が突然カピバラの温泉浴を見に行きたいと言い出し、こども動物公園まで、息子夫婦の運転で繰り出した。 温泉浴の時間まで、他の動物を見物して過ごした。 モンゴル、中央アジアに生息するロボロフスキーキヌゲネズミという動物が居たのでケータイで…

日馬富士が象だった時

象のノート(11) しばらく、象のメモを書き留めてきたが、いささか、疲れてきた。 もう打ち止めにしようと思ったが、モンゴル相撲の「象」について触れておかねば。 モンゴル相撲には、強者の称号がある。最高位から順に 「アヴァルガ」 「アルスラン」(…

パンペリー本の蔵書票

幕末に、幕府から要請され米国が派遣した幕府のお抱え地質学者に興味を持っている。 ラファエル・パンペリー(1837-1923)。相棒と共に1862年に来日、幕臣と蝦夷地(北海道)で鉱物資源の探査旅行をし、5人の日本人に鉱山開発や貨幣製造の、貴…

時天空のこと、天国のこと

すこし前の話だが、1月31日に大相撲・元小結の時天空、間垣親方が亡くなった。37歳の早すぎる死への驚きとともに、よほどモンゴルでも人気があったせいなのだろう、モンゴルのオノードル紙のWEB版は、7枚の写真、2本の動画を掲載して報じた。 小結昇進後の…

逃げた山猫は生まれ故郷へ戻っているのだって?

家に帰ろうとしているのか。英国南部のプリマス郊外の動物園に到着した日に、檻から逃げ出したカルパチア山猫の2歳のオスはその後、捕獲されていない。この山猫がプリマスに連れて来られるまで住んでいた、生まれ故郷の英ケント州の野生公園に向かっている…

モルという名の猫から蒼国来関のことを勝手に思う

大相撲の荒汐部屋(日本橋浜町)の猫「モル」が面白い。早朝から力士たちの稽古を見守る11歳のオス猫。貫録がある。 ソーシャルメディアやTVでさかんに取り上げられている。九州場所中、拾われて東京に連れて帰られ、部屋の看板猫になってしまった。 今さ…

出雲国風土記でハヤブサを晨風と表記したわけ

久しぶりにハヤブサについて。 ハヤブサは、トルコ、モンゴル、朝鮮と、鷹狩文化が盛んだった地域で、一定の呼ばれ方をしていた。 ションホル。地域によっては、ションコル、ションコンなど、変化はある。 例えば17世紀の、朝鮮語の辞書「新増類合」を見る…

春場所速報に力が入るモンゴルニュース

モンゴルの代表的新聞「オノードル」のWEBサイト、モンゴルニュースに、大相撲報道が戻ってきた。 春場所になって、 初日=白鵬、鶴竜の2横綱に土 2日目=白鵬、横綱最多671勝達成 3日目=日馬富士に土 と連日、速報で伝えている。 昨年は、報道が…

9つの目はネストリウス派のイエスか

モンゴル族の祭事用具「9つの目」の起源を想定すれば、常識的には、 1 シャマニズム 2 ラマ教 あたりに落ち着きそうだ。 上掲写真のトゥバのものは、9つの目が、紐で組んだような体裁になっている。まるで、モンゴルで愛好される紐による伝統模様「オルジ…

9つの目をもった不思議な祭事用具

1年がかりで部屋の整理をしているが、片付かない。 昔のモンゴル土産が出てきた。旅人のために、ゲル(テント)生活の遊牧民が、この木製の道具で、馬乳をかき混ぜ、空中に振りまいて、旅の安全を祈願するのだ―漠然とした記憶がよみがえった。 本物にしては…

モンゴル草原の黄花梨の椅子

モンゴルの草原に、沢山の石人の文化財が残っている。 私は今まで、突厥時代の古い石人に目がいきがちだったが、もっと新しい時代の石人にがぜん興味が湧いてきたのだ。 というのも、石人の座ってる椅子が素晴らしいことを発見したからだ。 ① ② 曲線が美しい…

鉄条網で命を落とす厳冬の動物のこと

日本列島に寒波が襲来したが、大陸モンゴルでも、厳しい冬が来ている。何年かに一度家畜が大量に凍死する厳しい冬を、ゾドと呼んでいる、と昔教えられたが、今年もゾドになるのか気にかかる。 モンゴル・ニュースのwebサイトでは、雪の少ない土地で暮らす…

ハヤブサ密輸団の女ボスはマリというのだそうだ

鷹狩の季節に入ったが、ワシタカ類の宝庫のモンゴルで、アラブ圏への「ハヤブサ密輸」のニュースが報じられている。モンゴル・ニュース電子版で、Γ(ゲー)・ラブジャー記者が、捜査当局がハヤブサ捕獲グループの摘発を始めた、とかいている。 捜索を受けた…

多摩へモウコノウマの仔馬に会いに行く

先だって、細と多摩動物公園へ、モウコノウマ(蒙古野馬)の仔馬イルムーンを見にでかけた。坂道を登って、マレーバク、インドサイ、ユキヒョウ、レッサーパンダを過ぎ、「アジアの平原」エリアに到着すると、6月に生まれたイルムーンがいた。 ぬかるんだ土…

モウコノウマの子馬の名称変更にビックリ

多摩動物公園でうまれたモウコノウマの名前が変更された。 イネーフと決まっていたのを、イルムーンになった、と同公園が正式発表した。 ちょっと、びっくりした。 というのも、モンゴル・ニュースのWEB版の記事に、馬の名はИPMYYH(イルムーン)と…

大相撲報道が消えたモンゴルニュース

盛んに、大相撲を報道していたモンゴルの「モンゴル・ニュース」のWEB版が、今場所に限って、全く報道していない。 場所前は、白鵬関のインタビューなどで、充実していたのに。白鵬関は、2020年の東京五輪まで現役で頑張りたいとか、大相撲W杯開催の…

多摩のモウコノウマの仔馬の記事

多摩動物公園で、6月にうまれたモウコノウマ(TAXb=タヒ)のメスの仔馬がすくすくとそだっている、とモンゴル・ニュースのWEB版がつたえている。 2013年に、モンゴルが贈った馬(3頭)から生まれた。昨年オスが生まれたが、翌日に死去してしま…

タルバガン、オオカミのモンゴルニュース

モンゴルの人気動物、タルバガンに注意、とモンゴル・ニュースが報じている。 草原の齧歯類、タルバガンの間で伝染病が拡大しているからだ。地中に長大な巣穴のトンネルを掘り、地上に愛らしい顔を出す人気者。検出されたのは、西部に限られているが、他地区…

ビールを飲む犬だったか。「根府川へ」を読む

サランツエツエグさんのモンゴル語への翻訳がきっかけで、岡本敬三の「根府川へ」を読んだ。しんみりとした気持ちになった。終戦の日の前、モンゴル・ニュースのWEBにアップしたというのも、相当理解をしているのだな、と驚いた。 仕事を辞め、妻からも別…

「根府川へ」-モンゴル語に翻訳された短編

モンゴル・ニュースのWEB版に珍しく、日本の本が紹介されていた。紹介というより、翻訳されて掲載されているではないか。 作家・岡本敬三の短編集「根府川へ」(筑摩書房、2003年)。 表題作「根府川へ」が翻訳されている。翻訳や掲載のいきさつは全…

ブルーベリーを採りに行く

知人宅の庭の、ブルーベリーの実がなったというので、 日高まで、取りに行った。 採りながら、食べる。 ザルに一杯になった。 ブルーベリーと、クロスグリとよく区別がつかなかった。 ブルーベリーはツツジ科スノキ属で、北米原産。 スグリは、旧大陸の原産…

ツチハンミョウは北米でも騒ぎになっていた

切手帳を取り出して眺めていたら、モンゴルのツチハンミョウ切手(72年)があった。何種か生息するうちの一種。 猛毒をもったツチハンミョウは5月末カナダでも騒動になっていたことが分かった。食卓のサラダに混入していたのだ。 大都市トロントで、主婦…

犯人はツチハンミョウなのか

子供のころハンミョウが毒虫だと思い込んでいた。人の命を奪うくらいの猛毒があると。 ハンミョウは、ミチオシエともいわれ、山道を人が歩くと、その前に現れ、道を教えるかのような行動をとる。 兄が箱根へ林間学校へ行くとき、 「ハンミョウに気を付けたほ…