久しぶりにハヤブサについて。
ハヤブサは、トルコ、モンゴル、朝鮮と、鷹狩文化が盛んだった地域で、一定の呼ばれ方をしていた。
ションホル。地域によっては、ションコル、ションコンなど、変化はある。
無理にカタカナ書きすれば、ションコリ ― ションホル ― シュンハル ― ションコン。
ハヤブサだけでなく、鷹名についても、上記の言語で共通していて、鷹狩文化を受け入れた地域では、鷹の名もセットで受け入れ、同一名で広がったと推定できる。
以前、日本でも8世紀に、ハヤブサを「ションコル」と呼んでいた痕跡として、隼人が住んでいた、「薩摩国」の前身の名が「唱更国」だったことをあげた。当時の日本でも、隼=ハヤブサを、ションコルと呼んでいたので、ショウコウ=唱更国になったと考えたのだ。ショウコウは、ションコルのバリエーションのひとつ、ではないかと。
唱更国と称されたのは、大宝2年(702年)から、和銅2年(709年)ごろ。
この中にハヤブサが出てくる。ハヤブサの表記は、8カ所で「晨風」。朝の風という意味だろうが、これでハヤブサと読んでいる。「意宇の郡」の条では、「晨風(字あるいは隼に作る)」とある。この箇所を含め、隼の表記は3つ。圧倒的にハヤブサ表記は、晨風であることが分かる。
さて、晨風は何と呼ぶのか。シンフウ。
ションホル、ションコルのバリュエーションと考えられないか。
8世紀に、隼人の国をショウコウ、出雲では隼をシンフウと呼んでいた。ションホル名のハヤブサの鷹狩文化が、日本にも伝えられた証拠である、僕はそう考えている。