2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

3-40年代台湾と白樺の残り香

古本屋で俳人富安風生(1885-1979)の「霜晴」(昭和19年3月15日発行)を買って、家に帰って目を通すと、なんだか見てはいけないような本だった。 「温和な作風」で通り、芸術院会員にもなった俳人は、日本軍の真珠湾攻撃の句を先頭に、折々の…

野良猫、野良犬と山頭火の交流

青空文庫で、俳人の種田山頭火の日記に目を通すと、たくさん心惹かれるものと出くわした。 例えば、犬と猫との逸話。1940年10月11日に松山市の一草庵で57歳の生涯を終える前に、犬と猫が「一草庵日記」に登場する。ともに野良である。 10月2日…

赤いニシンのこと

「赤いニシンってなんだ」 USオープンテニスの女子決勝で、敗者のセリナ・ウイリアムズが審判に、「SEXISM(女性差別)」だと抗議し続けた行為は、赤いニシンだ、とBBCのHPで、英国のプロテニス選手グレグ・ルーゼドスキー氏が書いていた。 RE…

古川敬さんの「山頭火の恋」

毎日、同じ通勤電車の同じ車両に決まって乗って来る男性会社員が、今日は顔を見かけなかった。なにかあったのか。あるいは、今朝がた大地震があった北海道の出身なのだろうか、と気になった。 山頭火と工藤好美さんのことを書いて後悔している。書く前に、古…

工藤好美さんと山頭火

分け入っても分け入っても青い山 笠にとんぼをとまらせてあるく 知人が放浪の俳人、種田山頭火を題材に短編映画を撮ったので、上映会に行ってきた。知人の来し方と山頭火の放浪人生を重ねていた。 山頭火については、自分なりにずっと気になっていたことがあ…