同じマンションに住む猫好きの高齢夫婦が私の留守中に、真紅の薔薇10本とモロゾフの菓子を届けに来られた。半年以上前に贈呈した猫本1、2(猫といっしょに考える1,2)のお礼だった。
薔薇は1階の庭でご主人が育てたものという見事なもので、早速玄関に細が活けていた。お菓子は翌日遊びに来た1歳の孫と食べた。
猫本は、奥さんが特に愛読されたという。読者を意識せずに、好きに拵えた私家版なので、読んでもらえるだけで、ありがたい。
後日、理事会で会ったご主人に、お礼と共に猫本3をお渡しした。猫がほとんど登場しないので、差し上げるのを控えていたのだった。
猫本3(猫の居ぬ間に考える・幻の洋画家船川未乾)は、国会図書館のほか、京都府立図書館でも収蔵いただけた。京都生まれの画家、装幀家について綴った本なので、京都の図書館に置いてもらえて、ほんとうにうれしい。
しかも、平安神宮近くの歴史ある図書館。ひっそりとした図書館の夜、1階の棚で静かに眠っている猫本3を想像すると、なんだか大事に育てた「猫」が知らない本のなかで、暮らしているかと錯覚して、心配になったりする。
さっそく京都で読んだ方がいて、Xで、「文献調査は不十分だが、読み物としては面白い」との感想を書いていただいた。たいへん有難い。
実は猫本4がもうすぐ完成する。安西スタジオが工夫してくれて、表紙が出来あがった。わが家の猫が初めてカラーで表紙に登場する。
「猫といっしょに振り返る・神保町カプリッチョ」。副題は「古書とLPで過ごしたコロナの頃」。神田での仕事を終えるにあたって、コロナ自粛の折に訪ね歩いた神保町の古本店、古レコード店のご主人への感謝をこめて、気ままに書き綴ったものを気ままにとりまとめたものだ。
私家版なので、どうしたら手に取って読んでもらえるか。受け入れてくれそうな図書館探しをしないとならない。