2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

恒友、泊雲の松茸狩

細が入院する病院に通いながら、高円寺の古本屋で見つけた森田恒友の「画生活より」を読んだ。恒友は、今まで幾度か触れてきた大正、昭和初期の画家で版画家だ。 パリ留学したのはいいが、第一次大戦下のパリに到着。緊迫する戦況の中、心酔するセザンヌの郷…

冷やし中華大盛りの謎

今日、事務所の近所にある大衆的な中華料理店でランチを食べた。 冷やし中華、しょうゆダレを頼んで、大盛りにしてもらった。 一緒に行った仲間の1人は、ゴマダレの冷やし中華を頼んだ。 運ばれたものを見ると、普通盛りと大盛りは器が同じ大きさだった。見…

さみしがり猫

細が突然入院した。夜遅くなっても戻らないので、猫が異変を感じたらしい。ガラス戸から外を見つめ、にゃあにゃあと、大きな声をあげ、別の部屋のガラス戸に行ってまた、にゃあにゃあと、声をあげる。 私は病院から戻ってひと息つき、「あと、3、4日は帰っ…

キプリング少年期の悪夢

作曲家のバルトークが見抜いたように、キプリングの小説が甘くないのは、ジャングルで少年が1人で暮らさなければならない設定からしてその通りなのだが、その設定の背景には、キプリングの英国での多感期の少年時代が大きく反映している。 キプリングは6歳…

キプリングを愛読したバルトーク

作曲家のベラ・バルトーク(1881-1945)が、家出した知人の猫の声をはるか遠くから識別し、木の上から下りられずにいた猫を発見、救出したこと、猫の鳴声の音程を分析して、子猫にその音程で語りかけると、親猫と間違えてついてきたことなど前に書…

ミソサザイを語り部に選んだキプリング

語り部としてのヤツガシラ。 あらためて、世界の鳥のWEB検索、AVIBASEで、ヤツガシラの鳴声を確認すると、ホ、ホ、ホ(間)ホ、ホ、ホと3連音繰り返す単調なものだった。 それでもまあ、とつとつと語るようにおもえないこともない。 英作家ラドヤ…

ヤツガシラ 続き

ヤツガシラは、米作家で博物学者のピーター・マシーセン(1927-2014)の代表作「雪豹」の中に出てくる。 著者は、ネパール北西の聖山を目指し、ヒマラヤアオヒツジの生態を探る動物学者に同行し、雪豹探しに出る。ヒマラヤ山中、2ヶ月の難行。ダウ…

レコードで出会ったビューイックの木版画

レコードの棚から久しく聴いていないものを引っ張り出したら、 英国の版画家で、博物学者でもあるトーマス・ビューイック(1753-1828)の版画がジャケットに使われた「イングリッシュ・オーボエ名演奏」(トリオ)が出てきた。 ビューイックはギルバート・ホ…

ご近所の大聖堂サボール

事務所から坂を上るとニコライ堂がある。信者以外の大聖堂の立ち入りは、ずっと出来なかったが、ある時から拝観料代わりの少額の「お布施」で、大聖堂の中を見ることができるようになった。元日に息子と初詣の折りに立ち寄り、絢爛とした内部装飾とイコン像に…

猫の東屋姿、小車姿

息子夫婦と日高の知人の珈琲店に出かけた。 帰り、近所にある高麗神社を訪ね、境内に隣接する重要文化財の高麗家住宅を回ると、敷地内に四阿家があった。 こういう時に、変なことを思い出す。たしか、鷹狩で鷹をサポートする鷹犬に関する言葉に、アズマヤが…