猫の東屋姿、小車姿

 息子夫婦と日高の知人の珈琲店に出かけた。
 帰り、近所にある高麗神社を訪ね、境内に隣接する重要文化財の高麗家住宅を回ると、敷地内に四阿家があった。
 
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 こういう時に、変なことを思い出す。たしか、鷹狩で鷹をサポートする鷹犬に関する言葉に、アズマヤがあった。
 鷹犬が四つ足で立った姿を、鷹匠は「アズマヤ」と呼んでいる。4つの柱で建つアズマヤ(四阿屋、東屋)に例えているのだった(「放鷹」収録「鷹犬詞語彙」)。
 
 一方、後ろ足を折って休む姿のことは、「ヲグルマ」(小車)と呼んでいる。
 小車は、「小さな車。特に牛車をいう」(大辞林)。
 藤原定家の歌に「行きなやむ牛のあゆみにたつ塵の風さへあつき夏の小車」と、牛車を小車と呼んだものが確かにある。
 
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 かつての鷹匠たちは、犬の後ろ足を折った姿を牛車の車輪に似ていると発見し、こう例えたのだろう。
 東屋(源氏物語にある)といい小車といい、王朝の香りがする。江戸時代よりも前にできた鷹匠の言葉なのかもしれない。
 
 眼を通すと、犬の尾を「ヲバナ」(尾花、ススキ)と呼ぶのは分かりやすいが、犬の前足の向脛を「アケボノ(曙)」といい、犬の胸の辺りを「タキカワ(瀧川)という理由は分からない。
 犬の足の裏は、クワイ。前足の肉球(指球)から爪が出ている姿が、クワイの根に似ているからだろうか。
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 犬は飼っていないので、猫に協力してもらった。猫は爪を切っているので、クワイの芽の感じはつかめなかった。
 
 ついでに、アズマヤ、ヲグルマのポーズも協力してもらった。
 
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