私家版で猫の本3作目を作った。今回は、「猫の居ぬ間に考える」と題して、大正・昭和初期の京都の洋画家船川未乾の装幀本を追いかける内容(「幻の洋画家船川未乾を求めて」)となった。
猫の出番は、「はじめに」だけで少なくなってしまった。
近所の猫好きのメゾソプラノの声楽家に前作、前々作を読んでもらったところ、「図書館に送ってはいかが」と言われたので、今回から送ってみようかと思った。
猫の図書館を探したところ、岩手県奥州市の胆沢図書館に猫の図書館があることが分かった。猫本を集めているらしい。
少しでも、にぎやかしになって貰えばと思い、本を送ることにした。
しかし、今回の本は猫の出番が少ないので、前作の「猫といっしょに考える・江戸猫のディベルティメント」を送ることにした。誰かひとりでも、江戸時代の猫たちに興味を持ってもらえばと思った。
新作は、代わりに国立国会図書館に送った。すぐ、収蔵してくれて、検索するとちゃんと表示されていた。
ひと月以上たってから、手紙が届いた。胆沢図書館からの本の礼状だった。嬉しかったのは、にんげんの図書館長の署名とともに、ごらんの通りねこ館長の名前とハンコが捺してあったこと。8歳のむぎという名の”男性”館長だった。