猫本の4冊目が製本所から届いた。
ひょんなことから作り始めた私家本を机に並べてみる。

だんだんカラフルな装幀になっているのが一目瞭然だ。
はじめは、大正時代に発行された長谷川巳之吉の第一書房の「野口米次郎ブックレット」を参考に、茶色の表紙カバーでスタートしたのだが、いっしょに本作りに参加してくれたデザイン事務所の創作意欲がしだいに変化をもたらしたようだ。
当初は想像もしなかったことが、仲間と本作りをしていくうちに、現れてくる。きっとものを作る楽しさは、ここにあるのだろうな、と感じる。
そんな朝、長嶋さんの訃報ー。
実は、猫本の3冊目はミスターが半世紀もの長きにわたって信頼した馬立勝氏に捧げている。昨年亡くなったが、故人の遺志でひっそりと親族だけで葬儀を終え、知人には四十九日を過ぎてから伝えられたのだった。お別れ会も開けなかった。
長嶋さんはそのことをずっと気にかけていて、周辺の人から私にも再三事情を尋ねてきた。
馬立さんは絵が好きだったこともあり、「幻の洋画家船川未乾を求めて」という本なら、怒られないと思い、本を捧げたのだった。
ミスターの訃報に息子からメールがあった。夜、細に言われて、玄関にミスターの写真をおいて弔意をしめすことにした。
ミスターを真ん中に4人が写ったパネル写真があったのだ。みんな笑顔、しかも作ったものでなく、自然に沸いた本当にうれしそうな笑顔。私も幸せそうに笑っている。
時は容赦なく過ぎてゆくが、楽しかった思い出は消えない。