モルという名の猫から蒼国来関のことを勝手に思う

 大相撲の荒汐部屋日本橋浜町)の猫「モル」が面白い。早朝から力士たちの稽古を見守る11歳のオス猫。貫録がある。
 
 ソーシャルメディアやTVでさかんに取り上げられている。九州場所中、拾われて東京に連れて帰られ、部屋の看板猫になってしまった。
 
 今さらなにも語ることもないけれど、モルという名を、部屋を引っ張る前頭蒼国来関がつけたこと、モルはモンゴル語で猫のこと、ということに一言。
 
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 蒼国来関は内モンゴル出身。内モンゴルでは「モル」というようだが、外モンゴルの「モンゴル国」では、「モール」とモーを伸ばす違いがあるようだ。
 
 上図のモンゴルの絵入りの辞典でみると、20番のオス猫はミー、或はモール。21番のメス猫はミゴイ。22番の仔猫は、モーリーン・ゾルザガとある。
 
 蒼国来関の故郷、内モンゴルのオス猫モルは、モンゴル国のモールに対応している。猫の名づけ方からして、蒼国来は、内モンゴルを誇りにしているのだなと思う。(大相撲の場所でアナウンスされる国籍は中国だけれど)
 
 ここで思い浮かべるのは、「青いモンゴルという言い方が示す通り、モンゴル人は青にこだわる。青い天、青い旗、青い町、青い馬、青い火・・・・・・青い青。青は間違いなく、白と一緒にモンゴル人が好きな色である」。内モンゴル出身の詩人ボヤンヒシグの言葉だ。(彼は日本語でこう書いている)。
 
 青い国から来た力士という四股名「蒼国来」に込められた思いも、改めて僕らに伝わって来る。
 蒼国来が、猫にモルと名付けたことと、その猫がモル、モルと声を掛けられて多くの大相撲ファンに愛されていること、部外者ながら、とてもうれしくなってしまう。