モンゴル

モンゴルニュースで旭天鵬について思ったこと

WEB版のモンゴルニュースは、日本の大相撲をよく報じている。モンゴルの大相撲ファンの目が伺えるので興味深い。今朝は、名古屋場所の千秋楽を終えた白鵬と旭天鵬の写真が掲載されていた。 優勝した白鵬の記事から書き出してあるが、見出しは「旭天鵬引退…

王子稲荷の火焔宝珠で思い出したこと

モンゴルをはじめて訪問したとき、ウランバートルの博物館の仏画に圧倒された。僕は、どうでもいいような細部に目が行ってしまうので、ほとんどの仏画に描かれている、丸っこい実のようなものが気になった。 「あれはなんですか?」 と、モンゴル人にきいた…

オオバンは禿げたクイナ

朝、運河を水鳥の群れが颯爽と泳いでいた。元気がいい。スマホで橋の上から撮る。 黒くて鼻先が白い。オオバンの群れだった。 クイナ科のオオバンは、鼻から額の白が目立つので、「白冠鷄」と中国でよばれるのは相応と思うのだが、モンゴルではХалзан түнжүү…

モンゴルの相撲記事で木の年だと気づいたこと

去年と今年と、木の年なのだ、とモンゴル・ニュースのHPをみて、気づいた。 去年活躍した名誉あるモンゴル人10人が選ばれて発表された記事で、 白鵬がいちばん大きな写真でとりあげらていたのだが、 2014年というかわりに、「木の馬の年」の名誉ある…

モンゴルの羊の年賀状と言い張ってみたが

上の写真を、「モンゴルで出合った羊」と印刷した年賀状を数枚だけ作り、美術好きの知人に出したら、 「あれは羊ですかね」と突っ込みのメールが届いた。 羊にみえるが、山羊にもみえる。微妙なので、数枚だけしか作らなかったのだ(あとは別なものにしたの…

匈奴の王墓の鳥を詮索する

モンゴル内の、匈奴の墳墓群、ノイン・ウラ遺跡の第1号墓から出土した木棺漆絵に、飛翔する鳥の絵がえがかれている。 梅原末治「古代北方系文物の研究」(1938)に、紹介されている。 この鳥の種類をしりたいが、なかなか難しい。 漆の地は、茶色で、鳥…

銀行の猫サービスの不思議な理由

モンゴル新聞「オノードル(今日)」のWEBサイトをみていたら、猫ビジネスの記事があった。 ロシア大手の、ロシア貯蓄銀行(モスクワ本店)が、住宅ローンを申し込んだ顧客に、猫をプレゼントする企画をはじめた、というのだ。 ロシアでは、新居に入ると…

仮面姿のナムスライとゴンゴル

表紙の写真は、モンゴルの毘沙門天。右の仮面が毘沙門天=ナムスライ(左は白大黒天=ゴンゴル、木村理子氏撮影) 仮面をかぶって野外でおこなわれるチベット仏教の密教修会「チャム」が、チベット仏教圏の国々の寺院で、次々と再興されているという。モンゴ…

カワセミを見て犬を思い浮かべる感覚

モンゴルのカワセミ。 モンゴルの青少年百科事典に描かれたカワセミ モンゴルでは、カワセミは、「犬」に関連付けて命名されている。HOXOЙ ΓAΛУУ(ノホイ ガロー)=犬の雁、犬のガチョウ、とか、HOXOЙ ШOΓШИΓ(ノホイ ショグシグ)=犬のショグシ…

トンボは渦巻を盗む者?

トンボの話の続き。 トンボに親しみを持っているのは、日本がいちばんかもしれない。 例えば、モンゴル。トンボに対する無関心さにはおどろいてしまう。モンゴル語で、トンボのことを3つくらいの言葉で表すが、そのうちの一つ、ウルム・ホルガイチを、 モン…

モンゴルの毒草薬草

青い花の「オオヒエンソウ」は、たべると毒、らしい。 ネコがよく、花をたべるので、要警戒。ネコは以前、百合の花をたべ、口のまわりが黄色になった。「腎臓がやられて、死んでしまいますよ」と、動物病院の先生にえらくしかられた。 オオヒエンソウは、キ…

モンゴルの青い花がいけてあった

家に遅くもどると、花瓶に、珍しい花がいけてあった。 「わかるかなあ」と細がいう。「この間、みせたモンゴルの押花と同じ花」。 オオヒエンソウ(大飛燕草)。夏のモンゴルに、旅行をしたとき、ウランバートルのちかく、ゾーンモドの丘にさいていた花だ。 …

黙って燃える、沙漠のタマリスク

映画好きの先輩たちとの飲み会は、今回は人形町で開かれた。一人が、「三船」という店を見つけたからだ。三船敏郎にちなんだ居酒屋。壁には、三船敏郎がえんじた役名の板がズラリならべてある。 権藤金吾(天国と地獄)、桑畑三十郎(用心棒)・・・ 本人の書…

蒙古雲雀も記したハズルンド

モンゴルのひばりは、蒙古雲雀。 雲雀(ひばり)でなくて、告天子(こうてんし)の仲間という。 ひばりには、コウテンシ属、ヒメコウテンシ属、ヒバリ属、ハマヒバリ属がある。 蒙古雲雀は「コウテンシ属」。 首の下に蝶ネクタイのような、黒斑がある。そし…

ガルーダから白鵬を連想する

出かけ、玄関に雛がかざってあった。どうみても、女雛が2体にみえる。これにはわけがある。 数年前の三月、東大寺の二月堂へお水取りに細とでかけたときのこと、奈良の三条通り、猿沢池の手前の南部銀行の前あたりで、おばさんが、端ぎれをつかってこしらえ…

シロガシラ鳶とウランバートルのガルーダ

モンゴルのガルーダは、首都ウランバートルの市章だった。しらなかった。 ガルーダは、モンゴルで信仰されるラマ教の曼荼羅タンカや、仏画にでてくる。 執金剛の頭の上や、 釈迦像の頭部にえがかれたりしている。 ウランバートルの象徴となるような、目だっ…

モンゴル的ガルーダ発見

昔旅行したモンゴルの首都ウランバートルから持ち帰った市内地図が出て来た。 外国人観光客用に無料で配布したものなのだろう、部屋を整理していて見つけた。折畳式の地図の表紙上部に、気になるマークがあった。 牛のような角があって、蛇を両足でにぎりし…

モンゴルも風邪は「カゼ」

週末、風邪でダウンしてしまった。 浅い夢につまらないことばかり、でてくる。 少し回復して、 以前から少し気になっていたことをおもいだした。 「なんで、カゼっていうのか」 風と風邪。 中国語では「感冒」 韓国語では「カムギ」というらしい。「感気」と…

鬼門の謎とモンゴルの方位感覚

モンゴルの方位感覚は、 南面して 左が東 右が西。 右=西が、正の方向 左=東が、副、あるいは邪の方向、になる、とかいてきたが、 「回想のモンゴル」をよみかえしたら、梅棹忠夫氏が、すごいことをいっていた。 「モンゴルの方位についてのべておく。南に…

ダルハンのハヤブサは悪いってか

CiNiiの論文検索で楽しんでいる。 沖田道成さんの「元朝期鷹狩り史料一考」(アジア文化学科年報 1, 1998-11 )を見つけた。 元朝の法典「元典章」の「巻38、兵部5」からの引用に、想像が膨らんだ。 元朝のフビライやテムルがハヤブサ、タカを献上さ…

HOWLかBARKか、隼人の犬吠え

モンゴル・ロシヤ・ドイツ辞典の「おおかみ」 吠えるといっても、オオカミの「howl 」か 犬の「bark」か、の違いがある。 はて、今まで書いてきた、「隼人」のことが気になった。 隼人は、古代、宮廷を守護し、南の方位にあたる門で、大事な行事があ…

古本で、絶滅危惧種のアカオオカミの知識を仕入れる

モンゴルのレッド・データ・ブック(絶滅のおそれのある野生生物)の1987年版が手元にある。最初に登場するのが、アカオオカミだ。アカオオカミといっても、オオカミではなく、野生犬。dhole ドール と呼ばれている。 ドールにも、北方のnorther…

セルオドという控えめな名のマラソンマン

昨日、紅葉を見に行ったら、サクラが咲いていた。 モンゴルのスポーツマンにもサクラが咲いたので、久しぶりにモンゴルの話題を。 25日に行われた大阪マラソンで、31歳のモンゴル選手が2時間11分54秒の大会記録(まだ2回目ですがね)で優勝した。 …

モンゴルの地図が出て来た

部屋を片付けていたら、モンゴルの地図が出て来た。モンゴルの地図には面白いのがある。 下は、古生物地図。発掘された恐竜の骨などを元に、モンゴルでの古生物の分布を記している。 南のゴビには恐竜がウヨウヨしていた、ことがわかる。 西部には、恐竜より…

モンゴルの鬼鐶を見て、歯の数チェック

モンゴル・ウランバートルのガンダン寺院の門に、鬼らしき顔をした把手があったので撮影したが、果たして今も残っているのだろうか。 小杉一雄氏は「日本の文様」(社会思想社)で、「鬼鐶」と名づけている。 邪悪なものを防ぐ意味をもって、中国の戦国時代…

古代日本、ヨコシマだったのは左か右か

「横」という言葉は、縦横の横だけでなく、古代の日本語では「ノーマルでない」という否定的な意味を持っていたーホント? と思える説を、言語学者の村山七郎氏が唱えていた。 街の青空古本市で250円で売られていた「日本語の起源」(村山七郎・大林太良共著…

隼人と満蒙ハヤブサ名と濃密な関係

国立劇場で仕事があって、九段下から千鳥ケ淵を通って歩いて行った。 サクラ 見事なり。 今年の花見は、これでおしまい。 ハヤブサのことを、調べ続けている。気になっていることがあるからだ。日本には、ハヤブサの名を持った人たちが居た。隼人。南九州に…

陛下、鶴が飛んでおります

モンゴルの鷹狩りについて、アレコレ述べてきたが、モンゴル帝国最盛期の鷹狩りについて、あいまいにしていた。マルコ・ポーロの「東方見聞録」を本箱から出して、パラパラめくった。 出てくる、出てくる。チンギス・ハーンの孫で、元朝の初代皇帝 フビライ…

馬も駱駝も飛行機も左から乗降するものだが

モンゴルで出会った子供。自在に馬を扱って、私の長男もこの馬に乗せてくれた。当たり前だが、わが子は、写真の手前側、つまり馬の左側から鐙に足をかけ、跨いだ。左から乗るのが、世界的な常識といっていい。 飛行機の搭乗口も、左側。そもそも、船が左舷を…

開高さんのモンゴル散骨を知らなかった

昨日BS-TBSで「漂えど沈まず 小説家開高健が遺した言葉 小林薫モンゴルを行く」 を見た。 昭和62(1987)年から2度、開高健さんがイトウ釣りをしたモンゴルを、偲んで 小林薫、岩切靖治さん、鯉渕信一先生の3人で訪ねていた。 知らないことが…