蛙の傘を択んだ

  細に付き合って、植物園近くで開催されている「山野草の展示会」について行った。ホトトギス、ダイモンジソウ、エビネトリカブト、各種のノギク、スゲと、愛好家が出品した自慢の小鉢が並んでいた。

 

 私は、モウコノギクという、モンゴルの名がついた青色のノギクに目がいった。ほんとに小さなノギクで、花弁は8枚程度だった。

 モンゴルに咲いている野紺菊(ЦAXИЛДAΓ)の一種なのだろうか。

 

 鑑賞を終えて、細は野草売り場でなにやら熱心に探している。盆栽の寄せ植えの野草を捜しているようだ。私は、訳が分からないながら、葉の形が面白いので、「蛙の傘」=ヒキノカサの小鉢を買った。200円ほどだったので。

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 帰宅して、早速細は、鉢に植え替えをしている。ヒキノカサはどうしたらいいのか、「ネットで自分で調べたら」といわれたので、探してみたが、栽培法など書かれていない。

 蛙の傘は、山野草でなく、水辺、湿地の野草で、キンポウゲ科だということだけ分かった。

 

 さらに、松田修「季節別場所別植物図鑑」で、ヒキノカサを捜すと、「この名は蛙の住む湿ったところに生え花を蛙の小傘にたとえたものである」と命名の由来が記されてあり、「4-5月頃枝上の花柄に黄色の花をつける」ことが分かった。

 

 水だけ絶やさずに気温に気を付ければ、半年後に花が咲くのだろうか。細の指示で、このまま小皿を敷いて玄関に置くことにした。

 私には、葉が蛙の形に見え、この小さな葉が蛙の傘だと思ったのだが、松田氏によれば、蛙の傘は花だ断定している。そのあたりのことも気になって、花の様子も見てみたい。

 果たしてこの冬眠しない「蛙」が冬を越せるのか。心もとない。

 

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