猫にカツオの中落ちを

 夕方魚店の磯友に久しぶりに細と顔を出した。店では猫を2匹飼っている。
 
 ノラだったが、今では住みついて部屋の中で暮らしている。一匹は猫は駐車場で毛づくろいをしていた。
 オヤジさんが玄関で猫に声を掛けると、猫はニャオと応えて裏口から家に上った。
 
「寝ていると、猫がおなかに乗ってきて、重くて目を覚ましてしまんですよ」
  オヤジさんはニコニコと話す。猫を3匹飼い、庭でノラ6匹の食べ物の面倒をみている婦人客は「それはオスでしょう。甘えてくるのは、たいていオスね」と言いあてた。
 
 このご婦人はトビウオの切り身を猫にあげることで、客仲間に知られている。
 魚店に住み着いた猫もまた高級魚の残りものを食べているらしい。ノラだった2匹はオイシイ「人生」にありついているようだ。
 
 さて買物。通り過ぎた台風の影響で魚は少ないが、しめ鯖があるよ、秋鯖が美味しくなったと勧められる。秋刀魚は「売りきれた、今年は高くて嫌になる」。
 しめ鯖と浜名湖産の大きな浅蜊と蛸を買った。「猫ちゃんにこれ持って行って」と、カツオの中落ちを袋に詰めてくれた。
 
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  きのう、浅草近くの田原町で飲んだ。 居酒屋の階段に立派な招き猫が置いてあった。初めは、場所柄、今戸人形の招き猫かと思ったが、九谷焼の「盛技法」の招き猫らしい。
 
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 いい猫だな、とケータイで撮影した。酒席で初めて一緒に飲んだ方と会話が進むうち、この男性がなんと素晴らしい猫の絵を遺した尊敬する大画伯熊谷守一先生の身内の方だと、わかった。
 それからは、画伯の話ばかりー。招き猫の不思議な力を思わずにいられない。