「田園」探して、休日に思い巡らせたこと

 
 というわけで、日曜日、ベートーヴェンの「田園」をじっくり聞いてみた。わがレコード棚、CDボックスに、この名曲が見あたらず、DISK UNIONで、中古CDを買ってきた。中古は1種類しかなくて、カラヤン指揮、ベルリンフィルの76年の演奏だった。
 
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 なるほど、第2楽章の終わり、確かに3種類の鳥の鳴き声が、別枠をとって披露されている。
 フルートのサヨナキドリが初めに登場し、おくれてクラリネットのカッコーと、オーボエのウズラが、ほぼ並んでくわわる。
 
 楽譜をみたくなる。WEBで探してみたら、NYフィルのデジタル・アーカイブという便利なものを発見!
 「田園」の楽譜を簡単に見ることができた。サヨナキドリは、オクターブ上のF音とG音の2度の音程で描かれていた。休符をはさんだ8分音符の組み合わせで、FF、FF、FGF、GF,GFと進行し、16分音符で、GF-GF-GF-GFと、小刻みに特徴を繰り返し、Fの長いトレモロのあと、16分音符のEで飾り、Fで閉じる。途中であわただしく鳴くところを16分音符でうまくとらえていると思う。
 
 カッコーは、オクターブ上のEとCの、長3度の音程。ハ長調で、ミード。親しみやすい理由がわかった。
 ウズラは、高い音(2オクターブ上のD音)の1音のみ。付点16分音符、32分音符、8分音符で、リズムをきざむ。AVIBASEで聴く、ヨーロッパウズラの本物の鳴き方とまるで一緒だった。
 長3度の音程のカッコウ
 2度の音程のサヨナキドリ。単音のウズラと、うまく3種類の鳥を音楽構成的に組み合わせているようにも思えた。
     
「思索」の音楽家のイメージの強いベートーヴェンの、別の一面に触れた思いがした。
 
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 今朝、仕事にでるとき、横断歩道で、ミード、ミードの電子音を聴き、「そうか、これもカッコウだ」といまさらながら思った。習性の点では『悪役』のカッコウが、 3度の音程で鳴くというだけで、世界中の人気者になってしまったことに、いささか複雑な思いがー。