仏像

五劫院の見返り地蔵と大仏殿の女人参詣

見返り仏について探っているが、次に地蔵ついて整理してみた。 日本の中世、どうして地蔵がクローズアップされたのだろう。 どうやら日本製の経典(偽経)が大きく働いているようなのだ。 まずは、地蔵を慕う老尼の姿を追ってみる。 地藏は忙しく毎朝歩き回…

見かえり阿弥陀像と東大寺東南院

普段は公開されないが、京都東山の永観堂禅林寺に見返り阿弥陀如来像が安置されている。顔を左に向け、肩越しに視線をやっている。 「本尊みかへり阿弥陀仏は世に名高し」(「京都名勝帖」明治42年、風月堂)と、珍しい仏の姿は古くから信仰されてきたこと…

見返り地蔵と目蓮口説

孫たちが埼玉県こども動物自然公園(東松山市)に行ってポニーに乗ってきたと喜んでいる。動物公園から坂を上った近くに岩殿観音があり、今度は一緒に寺の近くを散策したいと思う。寺の参道を下って行くと、阿弥陀堂跡に池があり、立派な板碑や石仏が並んで…

女帝たちと法相宗、華厳宗

休みの日に、孫娘を預かることが増えた。私の部屋が気に入って、部屋にある物を弄りまわす。 朱肉と黒スタンプで手を汚しながら十種類の印鑑を押しまくり、旅先で拾った石や、外国コインを瓶や箱からベッドにぶちまけては、また戻して楽しんでいる。ネクタイ…

ヨーロピアンスタイルの役行者

人間に抱かれるのを断固拒否する我が家の猫も、淋しいのか、ベッドに上がって来て、身体を私の脚にくっつけてくるようになった。 猫が寝ている間に、手に余って来た「弥勒仏」について、フィニッシュを目指して考え続けてみた。 十三重塔から、始めてみる。…

帝王=弥勒説

猫を横目に、弥勒仏に就て気が済むまで、探索することにした。 インドから経典を運び、漢訳して弥勒信仰を中国に伝えたのが、「西遊記」でもおなじみの玄奘三蔵。玄奘は、中国法相宗の礎を築いたとされる。この教えは、「唯識」といわれる。 法相宗のことも…

法隆寺四仏浄土図の如来倚像

猫と一緒に、いろいろと歴史を調べていくと、過去の研究結果から定説とされているものが、ネット上や報道などで、まるで「絶対真実」であるかのように扱われている危うさに気づくことが多い。 私たちが学生の時に教科書で教えられた源頼朝、足利尊氏の画が、…

猫にジャマされ乍らなお弥勒仏を

古代の弥勒仏を調べ出すと、膨大な資料を読まないとならないことが分かった。せめて、要点を掴もうと試みると、早速邪魔が入った。 「一緒に遊んでくれ」と、猫がデモンストレーションを起こしたのだ。パソコンのキーボードの上に坐り込んでしまった。追い払…

八王子の仏像の薬壺

考古学者で、文化財調査でも業績を残した柴田常恵氏について、いままで度々触れてきたが、深大寺の「釈迦如来倚像」についても同氏が明治時代に撮影した写真資料を残していた。 WEBで「國學院大學学術フロンティア構想柴田常恵写真資料目録Ⅰ」の東京の部…

深大寺と深沙大王

深大寺に話が飛んでしまった。 同寺の白鳳仏「釈迦如来像」は、「弥勒仏像」ではないか、と中国唐代の大仏を調べて居て、行き当たったのだ。 「釈迦如来」として当寺で伝えられたのだが、釈迦如来の深い根拠はないようだ。 私は、深大寺に残るわずかなシルク…

唐代の巨大弥勒仏

唐代の楽山大仏をどこから理解していこう。坐り方から考えてみるか。 楽山大仏は、台座に腰かけていて、両脚は前に下ろしている。我々が椅子やベンチに腰かけている姿と同じだ。 この坐り方の仏像は、ガンダーラ地方で古く登場したことで知られる。アレクサ…

100年前の大仏写真

猫と一緒に、1908年発行の本を引っ張り出して、確かめてみる。 英国の女流作家アリシア・リトルが著した清の時代の中国紀行「In the Land of the Blue Gown」(Mrs. Archibald Little)。この本に掲載された巨大な石仏の写真を思い出して、開いてみたの…

ハッダの仏頭のこと

アフガニスタンは行ったことがないし、遠い存在だと思って居たら、我が家のテレビの前のチェストが、アフガニスタン製の家具のはずだ、と細が言い出した。 テーブル替わりに使っている。数十年も前に、近所に家具屋が出来たので覗きに行って、珍しいこのチェ…