発熱から立ち直ったもののボンヤリしている。
法隆寺の四騎獅子狩紋錦についてのメモ書きをー。
これまでさんざん触れてきた歴史学者の三宅米吉が、私費留学から帰国した明治21年、文部官僚のトップだった九鬼隆一に従って、和歌山、奈良県で神社仏閣の宝物巡見をし、法隆寺所蔵の獅子狩紋錦に注目して、すぐ「法隆寺所蔵四天王紋錦旗考」を発表した。
上の図の「山」と「吉」。
円珠で囲まれた中に、2人の騎士は左右対称にデザインされている。「山」「吉」も左右対称なのが面白い。
「山」の騎士が上位に、「吉」の騎士が下位に。それが15個集まって旗になっている。制作年代や制作地の研究は、その後進んでいるが、漢字の意味について仮説も出ていない、と思う。
デザインから考えると、「山」の騎士と「吉」の騎士をセットに、なにか記念に祝って制作したものではないか、と考える。
ただ、7世紀から8世紀初めとされる制作推定年代と、彼らが活躍した時期が半世紀合わなかった。
写真は、三宅米吉著「考古学研究」(昭和4年、岡書房)から