猫のいる中古レコード店で見つけたブラジル盤

 先だって、よく行く神保町の古レコード店にはいったら、胸の高さに置いてあるジャズレコードの箱の一角で猫が丸くなってスヤスヤ眠っていた。ぎっしりレコードが詰まった狭い一角に、猫のスペースが作られているのだった。
 起こさないように、静かにレコードをさがした。
「おとなしいけどメスですか」と聞くと、店のご主人は、「オスですね。じっとしてくれています」。
 
 その時に買った、レコードを今聴いている。
 
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 ケッケルト弦楽四重奏団ハイドン「皇帝」とスメタナ「わが生涯から」。1956年録音のドイツグラモフォンのLPなのだが、ブラジルで発売されたものだった。
 裏面に「SIEMENS DO BRASIL COMPANHIA DE ELETRICIDADE」とある。ブラジルシーメンス社が国内販売元らしい。サンパウロレコード店のものと思しき小さなシールも貼ってあった。
 
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 中古レコード市場に、ブラジルのものも出回っている事実に少し吃驚。ブラジルも巻き込んだ、国際的なものに広がっているのだろうか、古レコードの流通は。
 サンパウロで、このレコードを買って、大事に聴いていた音楽好きを想像してみる。
 
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 窓辺でウトウトしながら、我が家の17歳の猫も聴いている。
 レコードのイラストは、ウィーンのショーンブルン宮殿のようだ。
 
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追記
 サンパウロの1956年ごろといえば、アントニオ猪木が一家でブラジル移住したころ(1957年)だった。アントンは、数年後、サンパウロの青果市場で働いているとき、力道山に見いだされた。
 サンパウロ市街の違った景色も見えてくる。