先だって、よく行く神保町の古レコード店にはいったら、胸の高さに置いてあるジャズレコードの箱の一角で猫が丸くなってスヤスヤ眠っていた。ぎっしりレコードが詰まった狭い一角に、猫のスペースが作られているのだった。
起こさないように、静かにレコードをさがした。
「おとなしいけどメスですか」と聞くと、店のご主人は、「オスですね。じっとしてくれています」。
その時に買った、レコードを今聴いている。
裏面に「SIEMENS DO BRASIL COMPANHIA DE ELETRICIDADE」とある。ブラジルシーメンス社が国内販売元らしい。サンパウロのレコード店のものと思しき小さなシールも貼ってあった。
中古レコード市場に、ブラジルのものも出回っている事実に少し吃驚。ブラジルも巻き込んだ、国際的なものに広がっているのだろうか、古レコードの流通は。
サンパウロで、このレコードを買って、大事に聴いていた音楽好きを想像してみる。
窓辺でウトウトしながら、我が家の17歳の猫も聴いている。
レコードのイラストは、ウィーンのショーンブルン宮殿のようだ。
追記
サンパウロ市街の違った景色も見えてくる。