#猫

猫の表紙と鼠の挿絵

猫が表紙の昭和24年3月号の「笛」は、表紙裏に、鼠の挿絵が印刷されている。茄子のような野菜を、鼠がむしゃむしゃ齧っている。 同号の表紙が猫なので、挿絵は鼠をと、版画家の関野凖一郎氏(1914-1988)に編集者が提案して注文したのだった。 …

松本たかし主宰「笛」の表紙猫

猫は天気がよいと窓辺で午後を過ごし、そうでないと我が部屋のクロゼットの上段に潜り込んでじっとしている。休日に、猫が窓辺で脚を伸ばして横になっていたとき、毛並みをなでてみた。春めいてきた日差しを浴びて、体全体があたたかくなっていた。 日差しを…

上代日向研究所について(4)

その時、考古学者の瀬之口伝九郎氏は、知らされていたのだろうか。 陸軍が2ヶ月前の昭和17年4月、古墳群が広がる宮崎市の西北、現・国富町の木脇地区に、飛行場建設を決定し、やがて緊急の発掘調査を依頼されることになるのを。 紀元二千六百年にあたる…

上代日向研究所について(3)

ロサンゼルス、シアトル、バンクーバーなど海外から贈られた石材も活用して建立された「八紘之基柱」の紀元二千六百年奉祝事業と違い、上代日向研究所の開所は手間取り、開所式は翌昭和16年8月8日に行われた。 研究所は、宮崎県立図書館内に置かれた。そ…

上代日向研究所について(2)

上代日向研究所には、前述のメンバーのほか、宮崎県立中学校教諭の廣田孝一氏が委員として嘱託されていた。 京都帝大で西洋史を学んだので、歴史の教諭だったのだろうか。 生れは京都だが、高知で育ち、徳島夜間中の教諭をしていた昭和12年(1937年)…

上代日向研究所のこと

球春、プロ野球のキャンプもたけなわ。テレビのスポーツニュースをぼんやりと眺めながら、幾度か訪ねたソフトバンクやジャイアンツの宮崎キャンプを思い出す。 サク越えの当たりを連発する野手を見て騙されたものだ。ブルペンで速球を投げ、仕上がりの早い投…

鼠の怖さがわからない

本を鼠の害から守った猫を、北宋の詩人、梅尭臣が称えたが、鎌倉時代に作られた最古の武家文庫「金沢文庫」にも、猫の伝説が残っている。 文庫を創設した北条実時(1224-1276)が鼠から典籍を守るため、中国猫を輸入したというものだ。 また、日宋…

イチョウと鴨の足

師走も半ばとなって、銀杏がやっと真黄色に輝きだした。 銀杏は、「オウキャク」と言われているのが、気になって調べてみた。「鴨脚」と書く。 銀杏の葉が、鴨の足に似ているのでそう呼ばれたのだという。中国・江南地方では、「鴨脚」をヤチャオと発音する…

漱石忌とうちの初代、2代目猫

知人がフェイスブックで、ジョン・レノンが殺害された当日の思い出を書いていた。 12月8日、私は石坂敬一さんの元へ、東芝EMIに飛んで行ったのを覚えている。その石坂さんも泉下の人となった。 その翌日は、漱石忌なのだと最近知った。 我が家の猫は、…

ダルマと九重塔の風鐸

昔、モンゴルの寺院を訪ねたときに、2階の軒の隅に吊るされた風鐸が揺れて、音が鳴り続けたのを覚えている。草原の風が強かったのだろう。 同行した女性歌手Kさんが「あの鐘はなんといったらいいのか知ってる?」 と聞いた。 「風鐸だと思います」。 すん…

野良猫、野良犬と山頭火の交流

青空文庫で、俳人の種田山頭火の日記に目を通すと、たくさん心惹かれるものと出くわした。 例えば、犬と猫との逸話。1940年10月11日に松山市の一草庵で57歳の生涯を終える前に、犬と猫が「一草庵日記」に登場する。ともに野良である。 10月2日…

ネコと鉱山

我が家のネコは、夜になると元気になって、一緒に遊びたがる。 未明にトイレに起きようものなら、走って付いてくる。足にすりすりし、戻る時に、餌を置いてある「猫部屋」に先に駆けて行き、空になったご飯のおねだりか,釣竿のネコジャラシで遊ぼうという強…

築地に猫投入案

我が家の猫が前脚で、虫をいたぶっていると思ったら、チャバネゴキブリだった。 ゴキブリが出たか! 紙でつまんですぐ、捨てた。 その後、朝、死んでいるチャバネゴキブリを発見するようになった。 猫がいたぶって殺したのだろう。 今年はゴキブリが多いな、…

トタン屋根の猫と電柱の猫

なぜ、土産の埴輪の話になったかというと、猫が書棚の最上段にのぼり、置いてあるものを、前脚で落としているからだ。 フォトスタンドを落とし、皿、鉱石、箱と落としまくり、とうとう埴輪も落ちてきた。 かまって欲しいための示威行動で、捕まえて棚の上か…

クジラのひげの猫じゃらし

日高高萩までドライブし、知人の珈琲店で一休み。庭でねこじゃらしを見つけたので、ことわって1本猫のために折って持ち帰った。 鉢植えの西洋風のねこじゃらし(ラグラス?)を以前猫に試して、全く反応がなかったので、期待していなかったが、猫の興奮度が…

さみしがり猫

細が突然入院した。夜遅くなっても戻らないので、猫が異変を感じたらしい。ガラス戸から外を見つめ、にゃあにゃあと、大きな声をあげ、別の部屋のガラス戸に行ってまた、にゃあにゃあと、声をあげる。 私は病院から戻ってひと息つき、「あと、3、4日は帰っ…

キプリングを愛読したバルトーク

作曲家のベラ・バルトーク(1881-1945)が、家出した知人の猫の声をはるか遠くから識別し、木の上から下りられずにいた猫を発見、救出したこと、猫の鳴声の音程を分析して、子猫にその音程で語りかけると、親猫と間違えてついてきたことなど前に書…

猫の東屋姿、小車姿

息子夫婦と日高の知人の珈琲店に出かけた。 帰り、近所にある高麗神社を訪ね、境内に隣接する重要文化財の高麗家住宅を回ると、敷地内に四阿家があった。 こういう時に、変なことを思い出す。たしか、鷹狩で鷹をサポートする鷹犬に関する言葉に、アズマヤが…

猫のための龍泉白剣

真夜中の猫の活躍は大分落ち着いてきたが、夜のジャンプは、昼間の猫の動きから想像もできないほど高いことが判明した。天井近くの高い棚やら、コートハンガーのパイプにのぼっているのが見つかった。 その上、前脚を出して、扉の上の壁にかけてある、おもち…

竈猫と香炉猫

真夜中、猫が箪笥の上や棚などに乗って、物を次々に落として騒いでいる。音が響いて、目が覚める。細は寝不足になり、カッカする。猫は夜行性だから、夜もかまって欲しいらしい。 香炉を落とすのが一番困る。朝確認すると、床に灰が散らかっている。わが部屋…

嵯峨野の花とネコジャラシ

京都・嵯峨野の住職から頂いて、持ち帰ってきた寺の庭の草花が次々と花咲かせている。 春が来てイワセキショウの白い花が咲いたと思ったら、今度はホタルブクロの花が咲いた。 ホタルブクロは花の形から、釣鐘草ともいわれるが、初夏の花。通常6月になって…

30分持った猫の集中力

我が家の2歳の猫は、岩合光昭さんの猫の番組が好きで一緒に見ているが、最近は猫以外の動物にも関心を持っていることがわかった。昨夜もNHKの「ワイルドライフ」を見ていたら、猫はテレビ画面の前にチーターを見にやってきた。ライオンとのにらみ合いもじ…

猫嫌いになった人やボス猫のこと

猫が嫌いな人がいる。どうしようもないくらい嫌いな人がいる。私が敬愛する文学者にも猫嫌いがいるが、理由があるようだ。 中国の魯迅は、大事に飼っていたハツカネズミを猫に殺され猫嫌いになった。特に、猫が一気に命を奪わず、もてあそぶように,いたぶっ…

動物たちの立候補

今年11月の米カンザス州知事選に、6人の少年とともに、犬のアンガス(3歳)が立候補しようとしたとの報道があった。少年は認められたが、犬は選管からはねられた。SCHOOLBOYとある。米では、カンザス州のほか、ヴァーモント、マサチューセッツ…

ひとりぼっちの練習帳

神保町の古レコード店の三毛猫が、亡くなってしまった。 ご主人の話では、年末に猫が夜の散歩に出て、神保町交差点で車に轢かれてしまったという。猫の首輪に連絡先を書いていたので、捜索を依頼したボランティアから連絡があったそうだ。ご主人はとんでいっ…

壱岐の民俗誌に出てくる猫

日本最古のイエネコの骨が確認された壱岐では、今でも人間と猫の付き合い方が、特別に親密なところがあるようだ。 高円寺の古本屋で見つけた「壹岐島民俗誌」(山口麻太郎著、昭和9年、一誠社)を読むと、猫についての興味深い島の習俗が出てくる。 ▼犬より…

「周」は壱岐のイエネコが食べたタイでは

「周」という文字が刻まれた弥生時代の土器片が、長崎県壱岐のカラカミ遺跡で出土していたことが最近発表された。 土器の縁近くに、「周」の文字の左半分が残っていたものだ。漢字が当時広まっていた可能性を示唆する貴重な発見らしい。 僕は、カラカミ遺跡…

猫へのアメ横土産

上野の展覧会に行ったかえり、アメ横まで足を伸ばした。 とくに買いたいものはなく、人混みを歩いたのだが、 細はキョロキョロして、「あった」といって、二木ゴルフ近くの中古ショップへ向かっていった。 まさか。 最近、我が家の猫がゴルフボールを気に入…

ウラルトゥ湖底遺跡と猫のヴァン

泳ぐ猫、ヴァンが暮らしていたトルコのヴァン湖の水中で城壁が見つかったと話題になっている。 紀元前9世紀から紀元前6世紀に繁栄していたウラルトゥ王国のものとされ、1キロに亘り続いているのが確認された。150m位水位が低かった当時に建設され、そ…

猫を貰い受けた

断り続けていた猫を結局貰い受けた。 庭に出没する野良猫を、家猫として慣らして飼っている夫妻から、話があったのだ。 郊外にある家を訪ねて、車で家に運んだ。 はじめは、警戒して、物陰に隠れてしまい、何も食べず、トイレにも入らない。 3日経ち、4日…