真夜中の猫の活躍は大分落ち着いてきたが、夜のジャンプは、昼間の猫の動きから想像もできないほど高いことが判明した。天井近くの高い棚やら、コートハンガーのパイプにのぼっているのが見つかった。
その上、前脚を出して、扉の上の壁にかけてある、おもちゃの剣を触って落とそうとしていた、と細はいう。剣を片付けて欲しいというのだ。

もう何十年も架けたままにしておいた北京土産の剣だ。両刃に北斗七星、竜のような絵と、「龍泉白剣」という文字が彫られている。開放前の社会主義時代の中国・北京で買ったものだ。
子ども部屋の入口に飾って、辟邪(魔よけ)のために架けておいたので、息子が独立した今、もう役割は果たしている。

「龍泉白剣」とされているが、北斗七星が彫られていることから、道教の法具として用いられる「七星剣」というものに似ている。「七星剣」は、鎮宅(家内安全)、辟邪、納福(こういう言葉があるのだ、福は内ということだろう)に効果があるのだという。
息子の部屋は今、猫の食物、トイレが置かれ猫の部屋になっている。新たな猫の魔よけの目的のために、剣の埃を拭って、壁のさらに上方にかけ直した。