築地に猫投入案

 我が家の猫が前脚で、虫をいたぶっていると思ったら、チャバネゴキブリだった。
 ゴキブリが出たか! 
 紙でつまんですぐ、捨てた。
 
 その後、朝、死んでいるチャバネゴキブリを発見するようになった。
 猫がいたぶって殺したのだろう。
 今年はゴキブリが多いな、と思ったが、4匹目を発見してからは、まったく見かけなくなった。一応4匹が生息して、すべて猫が退治したのかと想像した。
 
 猫は、チャバネゴキブリをいたぶっている時は大人しいので、「また、ゴキブリでないかしらね」と細は暢気なことをいいだした。
 
 そんな折、床屋に行くと隣に補聴器店ができていた。工事中、新店舗は飲食店かと思っていたので、床屋の主人にいうと、貸しビルの大家さんは飲食店の入居を嫌がったみたいですね、という。
 両親が文具店を経営している知人の話を思い出した。店の両隣が食品関係の店だったという。ある時両隣が同時に移転してしまった。「そのときの大変な騒ぎは、よく覚えています。ゴキブリが行き場をなくしたのでしょうね、両サイドからうちの店に大群が押し寄せてきました」。
 続けて「不思議なのは、飲食店だけでなく写真の現像屋さんにも、意外にゴキブリが多いのです。現像液かなにかが引き寄せるのでしょうかねえ」。
 
 築地市場の移転で、ネズミが大量に周辺に移動するので対策が必要だ、と報じられた。ネズミとともに、ゴキブリもいるのだろうなと想像する。
 
 いずれにしても、大量の猫を投入すれば、ネズミにもゴキブリにも効果があるのではないか。猫の姿を見ながら、ぼんやりと、思い浮かべた。
 
 
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