動物たちの立候補

  今年11月の米カンザス州知事選に、6人の少年とともに、犬のアンガス(3歳)が立候補しようとしたとの報道があった。少年は認められたが、犬は選管からはねられた。SCHOOLBOYとある。米では、カンザス州のほか、ヴァーモント、マサチューセッツ両州でも立候補に年齢制限はないので、子どもたちが積極的に立候補するとのことだ。
 
 犬のアンガスは、面倒見、気遣いと州知事にふさわしいと、飼主が手続きを行ったが、動物の立候補を認める法律がないので、拒否されたという。
 
 米国では、猫の立候補の動きもある。2012年11月のヴァーモント州上院議員選では、猫のハンク(10歳)を立候補させる運動が起きた。保護施設で救助され、里親が見つかって育てられたという経歴。支援者のソーシャルネットワークを用いた選挙活動が功を奏し、民主党共和党候補に続く、人気3番手につけて盛り上がり、6800人を超える票を得たが、選管に認められなかった。
 
 アンガスは、ワイヤーヘアード・ビズラという猟犬なので、関心を持った。鷹狩りで活躍する猟犬=「鷹犬」として評判のハンガリーのビズラが、1930年代にジャーマン・ワイアーヘアード・ポインターと掛け合わされ作られたのが。この優秀な剛毛の大型犬だ。
 
 アンガスの動画はFACEBOOKで見られる。野原の幅広い川(沼?)で、飼い主がボールを対岸に投げつける。茶色の毛のアンガスは恐れずに川に入り、40秒ほどかけて泳ぎ切る。対岸で鼻をきかせてボールを探し出し、口にくわえて泳いで戻ってくる。猟犬としての能力の高さをうかがわせた。家の中で飼われ、2匹の兄弟犬や猫と暮らしている。
 
 米テキサス州の町ラビットハッシュでは、犬の町長がいる。小さな町で町長はいなかったが、20年前、基金集めの目的のために1票1ドルで、町長選を開始したのだという。昨年6月の選挙で、3000票超を獲得し、犬のブライネス・ポールトロが圧勝、4代目町長に就任した。犬種はピット・ブル(ブルドッグとテリアの交配種)で3歳の雌。対抗馬は猫、鶏、驢馬、少年だったという。

 米の一連の動きを「立犬民主制」と呼んでみる。


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  君も立候補できる