2015-01-01から1年間の記事一覧

狛犬風、表慶館の2頭のライオンについて

東京国立博物館に「みちのくの仏像」展を見にいった。展示物が少なかったので、構内を散策する。 表慶館は3月下旬からの展示の準備でしまっていたが、 玄関前を守護しているライオン2頭を観察すると、 右手は、口を開き、 左手は、口を閉じていた。 そう、…

オオタカと女性のヒューマン・ノンフィクションを読みだす

2014年ロンドンで発行されたHelen Macdonaldの「H is for Hawk」が届いた。 父の死の衝撃で精神のバランスを失った著者ヘレンが、英国の自然のなかで、オオタカの鷹狩を学習し、オオタカとの交流を通して立ち直ってゆくノンフィクション。 まだ3章を読…

オオバンは禿げたクイナ

朝、運河を水鳥の群れが颯爽と泳いでいた。元気がいい。スマホで橋の上から撮る。 黒くて鼻先が白い。オオバンの群れだった。 クイナ科のオオバンは、鼻から額の白が目立つので、「白冠鷄」と中国でよばれるのは相応と思うのだが、モンゴルではХалзан түнжүү…

漱石の明治43年3月2日の日記

桃の節句には、細が別の雛をかざるので、叔母の手作りの紙の小雛は、長年わすれさられている。 探しだして、わが部屋にかざった。 仕事から戻り、乱雑極まりない本棚を整理。夏目漱石の明治43年(1910)の日記をながめていたら、ひな祭りの前日の、3月2…

鳥猫探しの散歩にでる

天気がいい、休みだったから、鳥猫探しに、夕方の散歩に出る。 沼には、待望のキンクロハジロが5羽およいでいる。 おお、やってきたか。スマートホンに、小さな望遠レンズをつけて撮影すると、 遠くから、赤いくちばしのバンが、餌でももらえるとおもってか…

本の動物 続き

本の背の動物さがし、続き。 いけない、カモシカのどうぶつ社、をわすれていた。 「カッコウの生態」から 有斐閣は、鷲と獅子 「ポケット六法」から イルカに乗った笛吹きは、米国ボストンのHOUGHTON MIFFLIN社 「the best ameri…

本の背の動物、植物たち

やっと風邪から立ち直った。 ぼんやりと、本棚をながめて、動、植物を発見する。 NYの大手出版社のNORTONとKNOPFの本の背には、鳥と犬がいた。 KNOPFの巻尾の犬は、ボルゾイだった。ロシア帝国の貴族たちが好み、オオカミ狩りをした大型の…

モンゴルの相撲記事で木の年だと気づいたこと

去年と今年と、木の年なのだ、とモンゴル・ニュースのHPをみて、気づいた。 去年活躍した名誉あるモンゴル人10人が選ばれて発表された記事で、 白鵬がいちばん大きな写真でとりあげらていたのだが、 2014年というかわりに、「木の馬の年」の名誉ある…

古本から戦時中のお札がハラリ

どうということではないのだけれど、昨日、雨の中、仕事でとある町にでかけた折、古本屋のT書店にたちよった。 3-500円の何冊かを仕入れたのだが、(この店は、普通の古本屋にくらべて、値が3分の1くらいなのだ)そのうちの昭和18年5月発行の本をき…

江戸時代からウミウサギ

江戸時代に、とんでもない貝の図鑑がでていた。江戸の旗本、武蔵石寿(1766-1861)が、服部雪斎に画をかかせて、991種の貝を紹介している「目八譜」(もくはちふ)。 目八というのは、目と八を組み合わせると「貝」になるからとのこと。 全15巻の…

貝類研究の平瀬与一郎の記したウミウサギ

ウミウサギの命名のヒントを知りたくて、まず、日本の貝類研究の礎を築いた人を調べてみた。淡路島に生まれ、私財をなげうって、貝類研究に打ちこみ、京都・岡崎に貝類博物館を建設した平瀬与一郎に行きあたった。 京都で平瀬商店などを構えていたが、宣教師…

誰がウミウサギといったのだろう

白くて丸いと、ウサギを連想させるようだ。貝にも、ウサギの名がついたものがある。 ウミウサギ。 貝の飾り棚からとりだしてみる。長さ11センチほどあった。 だが、ウサギに見たてるのは、一般的ではないようだ。英語だと、EGG SHELL。卵と見てい…

兎の鬼龍子があるのだった

「鬼龍子」という本があることが判って、古本をとりよせた。1964年刀江書房から翻訳が出たドイツ人エドワルト・フックスの著作。そもそもは1924年にミュンヘンで出版されたものだった。 読んでみると、明代の陶製の鬼龍子のみを紹介したものだった。…

六義園でキンクロ発見

駒込の六義園の池で、やっとキンクロハジロを見つけた。 頭を背中に埋めて寒風を避けていた。 数えれば3羽きり。ホシハジロの群れに居候しているかのようだ。 ホシハジロのオスメス(とおもわれる) キンクロハジロの冠毛が風で乱れ寂しげにみえた。 カモに…

キンクロハジロが池にやってこない

近所の池は、今年ヘンである。キンクロハジロ、オナガガモとにぎやかだった冬の池がしずまりかえっている。留鳥のカルガモが2羽=上の写真。池の主のようなバンが2羽=写真下。 静かなのでアオサギがじっと魚をねらっている姿もすぐしれる。 ただ新顔があ…

正月の日経紙で見つけた鬼龍子の文字

湯島聖堂の鬼龍子について思いめぐらしていたら、1月3日付日経新聞に、塩見一仁さんが寄稿した「狛犬の歴史文献にみる」が掲載されていた。目を通すと、遼東半島の鬼龍子という文字がありびっくりした。 同氏の近所の吹田市の伊射奈岐神社の狛犬は、カエル…

モンゴルの羊の年賀状と言い張ってみたが

上の写真を、「モンゴルで出合った羊」と印刷した年賀状を数枚だけ作り、美術好きの知人に出したら、 「あれは羊ですかね」と突っ込みのメールが届いた。 羊にみえるが、山羊にもみえる。微妙なので、数枚だけしか作らなかったのだ(あとは別なものにしたの…

聖堂の格狭間とカルカッタ博物館のつながり

今年の湯島聖堂初詣で発見したこと、その2。 湯島聖堂の大成殿に向かう門、杏壇門に、こんなデザインが施されていた。 今まで、見逃していた。 格狭間(こうざま)。上部が花頭曲線の図案。平等院鳳凰堂、平泉金色堂の須弥壇でおなじみのように、もともとは…

古い湯島聖堂の写真を見てみた

湯島聖堂の続き。 「三宅米吉著述集・上」収録の「聖堂畧志」に、湯島聖堂大成殿の写真が掲載されていた=上の写真=。 大正期の撮影と思われる。あいにく、屋根の上部はカットされていて、「鬼犾頭」は映っていない。 映っていれば、朱舜水版の動物像と、伊…

初詣の湯島聖堂の奇獣と朱舜水

我が家は10年以上前から、地元での初詣を済ませた後で、お茶の水の湯島聖堂に出かけることが多い。明治の建築家伊東忠太に興味をもって、伊東が関わった建築を回ったのがきっかけだ。今年は長男と2人で出掛けた。当初は参詣者もわずかだったが、最近は「…