誰がウミウサギといったのだろう

 白くて丸いと、ウサギを連想させるようだ。貝にも、ウサギの名がついたものがある。
 ウミウサギ。
 貝の飾り棚からとりだしてみる。長さ11センチほどあった。
 
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 だが、ウサギに見たてるのは、一般的ではないようだ。英語だと、EGG SHELL。卵と見ている。
 FALSE COWRIES ともいうそうだ。ニセタカラガイ、といったネガティブな命名
 
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 美しい光沢は似ていても、左右対称に近いタカラガイに対して、一方に偏し、歯のようなギザギザも片方にしかない。それが、マイナス材料であるかのようだ。
 
 沖縄の海でも採集されるが、イモガイ、ゴホウラガイ、オオツタノハのようには装身具として重んじられない。わずかに、宜野湾市の真志喜安座間原第一遺跡から、磨かれて穴をあけられた装飾品として出土している程度のようだ。「研磨穿孔」された装身具で、埋葬者の手首の辺りで発見されたという(木下尚子「南島貝文化の研究」)。
 
 
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 わが家の貝の棚に、1.5センチほどの小さなウミウサギ科の貝がもうひとつあった。
 
 ウミウサギの名は、どこの地方でよばれたのが始まりなのだろう。貝の命名のいきさつをまとめた本があるのだろうか。