同氏の近所の吹田市の伊射奈岐神社の狛犬は、カエルか怪獣のように愛嬌があるが、「日清戦争で日本が占領した遼東半島・金州城の望楼にあった魔よけの聖獣『鬼龍子』の姿を模して」明治36年に造立されたとかいてあったのだ。
鬼龍子にもいろいろあるようなのだ。
やはり、馬、獅子、獬豸(かいち)の鬼龍子のイラストが掲載してあった。鬼龍子といわず、「走獣」とある。今は、走獣で通っているようだ。
獬豸はなじみがない。「小学館・中日辞典」によると、獬豸は「伝説中のウシに似た動物で不正な人物を見分けて角で突くという」とイラスト入りででていた。
朝陽寺の獬豸
朝陽寺のと比べると、背中のコブ(というかヒレ)が5つあるのが違っていたが、あご髭の共通点がある。
これも獬豸ではないか、とあたりをつけてみた。
広辞苑に「獬豸」はないが、「鬼龍子」は載っている。「中国・朝鮮建築の降棟(くだりむね)に立てた、竜の子を模した瓦製の怪獣。走獣」。
なるほどと思ったが、この説明、2つの点で違うように思う。
2)中国、朝鮮ばかりか、モンゴルのラマ寺院の屋根にも、鬼龍子の装飾がある。
ウランバートルで撮影したもの。たくさんの鬼龍子が屋根にいる。
湯島聖堂の屋根の上の左右にあった、鬼犾頭については、中国で「正吻」と呼んでいる。大きな口をあけた動物ということらしい。