知人たちに誘われて、京都へ祇園祭の前々日の宵々山から出かけた。
祭のことは皆が伝えているので、祭の期間中に出くわした「生きもの」たちをご紹介。
顔付じゃがいも
宵々山の夕、錦市場近くの八百屋で見つけた。じゃがいもに眼、眉、口が描かれていた。
じゃがいもには、ひとつひとつ表情があるので、レバノンには、じゃがいもにリアルな顔を描く芸術家がいる。
ブタと間違えた麒麟
山鉾の代表格函谷鉾へ上った。ビルの2階から渡る。ビルの室内には、鉾を彩る16世紀のベルギー製のゴブラン織りのタペストリーなどが展示されていた。
眼を大きく描き、愛嬌がある。「漫画みたいで、かわいいですね」。17世紀の作とされるが、現地でも類品は残っていないそうだ。上の写真は麒麟のアップ。
虎の「狛犬」
1951年と近年の作だが、背を聳やかす虎の姿に、神田聖堂の屋根で蹲っていた鬼龍子を思い起こした。東京美術学校で木彫を学んだ黒岩淡哉の作とのこと。力強い虎。
貴船の鹿と兎
到着した貴船で、皆で遅い昼食。貴船川の川床料理。清流のせいで天然の冷房が効いている。上着を羽織ながら飲み始めると、動物が居る、と1人が川岸の上を指差した。角の生えた鹿が居て、木に顔をこすり付けているのか、皮を食べているのか、動きが見て取れた。好奇心があるのか、こちらの方をときどき見つめている。しばらく動かない。
驟雨になって、お客たちは川床料理から母屋に移ってゆく。最後までがんばったが、天井の簾に水がたまってきたというので、しぶしぶ移動する。2階に上がると、雷鳴が。鹿はどうしたのだろう。ひとりが窓辺から鹿を探すが見つからなかった。
川床料理店「右源太」の襖の壁紙が気になった。光によって、動物の模様が浮き出てくるのだ。近づくと「兎」だった。2様の兎の姿態。丁寧な仕事だな、と思う。
山鉾巡行の日は、人だけしか見かけなかった。