どうということではないのだけれど、昨日、雨の中、仕事でとある町にでかけた折、古本屋のT書店にたちよった。
5センチ強×10センチ強。おもちゃの紙幣かと思ったが、昭和19年11月発行の10銭の本物のピン札だった。
戦時中ゆえ紙不足で、小型紙幣が生まれたのだろうか。
べつに、それだけなら、つまらないのだが、本の価格が1円90銭。つまり、10銭紙幣は、元の本の持ち主が2円を出して購入した際に、受け取ったおつりだった可能性が高い。
栞がわりに用いたのかもしれない。
しかし、あまりに小さな紙幣なので、本にはさまったまま、気づかれずに時を過ごしたわけだ。1944年-2015年。71年たっている。
最近は、古本を好んで読んでいるが、こんな忘れ物に出合う楽しみもある。ちなみに本は、西角井正慶氏
の「村の遊び」(昭和18年5月10日発行、三国書房)。