野鳥

鳥が家に入ったら、柳節

神田神保町にある中国粥と紹興酒の店は、大きな柳が目印になっている。柳は安らぎをあたえてくれるからいい、あくせくしなくていいよと。 しかし、目印になるくらいだから、柳が東京の街中からへっているのだろう。 北京の柳 ちょっと、気分がしずんでいるの…

セルボーン博物誌で近所の鳥を照会してみる

「夕風や水青鷺の脛をうつ」 と、与謝蕪村が作句していた18世紀の後半頃、英国南部で、牧師の手つだいをしながら、ギルバート・ホワイトが野鳥を観察していた。 彼の「セルボーン博物誌」(寿岳文章訳、岩波文庫)を古本屋でみつけて、ひろいよみして、愉…

つくるが巡礼で出会うのはヤブサヨナキドリか

鳥にくわしいわけではない。 1995年「ねじまき鳥クロニクル」①②をよんで、ねじまき鳥がうちの近所にもいることに気づいた。 ギィー、ギィーという鳥の鳴声。 これはねじをまく音ではないか、と。 オナガだった。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA…

コウライキジの方がウルサイのか

1929年のハズルンドの「蒙古の旅」を再読しているうちに、ピーター・フレミングの「韃靼通信」(昭和15年、生活社)もきになって、本棚からさがして、よみかえしている。1935年の西域旅行は、国際紛争がはげしくなって、入境で、困難の度がまして…

蒙古雲雀も記したハズルンド

モンゴルのひばりは、蒙古雲雀。 雲雀(ひばり)でなくて、告天子(こうてんし)の仲間という。 ひばりには、コウテンシ属、ヒメコウテンシ属、ヒバリ属、ハマヒバリ属がある。 蒙古雲雀は「コウテンシ属」。 首の下に蝶ネクタイのような、黒斑がある。そし…

黄砂の報に、有翼日輪やら諏訪のカラスをおもう

中国大陸から黄砂とともに、pm2.5が飛来するとの報道がさかんだ。 太陽に三本足のカラスが棲むという中国生まれの伝説は、この黄砂の賜物である、との話を思い出した。絶版になったが、斎藤尚生「有翼日輪の謎」(中公新書)という興味深い本に書かれて…

三本足の雉について考える

三本足のカラスは、サッカーJリーグのエンブレムにもちいられて、世にしられているが、三本足の雉は、しられていない。 「三本足の雉の伝承」は、鷹狩りに関係した日本の中世の書にかきのこされている。 生息していたとされるのは、河内国交野郡北部にあっ…

猛毒の鳥、鴆を想像する

鴆(ちん)という謎めいた鳥がいる。 蛇を食べ、羽に毒があるという。室町時代の『太平記』では足利直義の死因は、この鳥の毒「鴆毒」だ、と記している。 18世紀前半の加賀騒動を扱った巷説では、幼君重照の枕元で女中の幽霊が現れ、鴆の羽根を猪口に浸して…

醜いおなかになったシュメールの神

なんという、醜いおなかになってしまったの。 高校時代、渋谷の書店で背伸びして、seton lloyd著「the art of the ancient near east」という本を買った。なかで、目を引いたのが、メソポタミア文明の初期、シュメール…