醜いおなかになったシュメールの神

 なんという、醜いおなかになってしまったの。
 
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 高校時代、渋谷の書店で背伸びして、seton lloyd著「the art of the ancient near east」という本を買った。なかで、目を引いたのが、メソポタミア文明の初期、シュメールのタカの神像だった。
 
 ライオン顔で、姿は鷲。ANZUという名で、2頭の鹿を従えていた。
 イラクのAl ’Ubaid のシュメール時代の寺院跡から出土し、他の遺宝と違わず、大英博物館が所蔵していた。
 
 
 ところが、である。最近は、WEBでこの銅のレリーフを見てみたら、変形しているではないか。
  
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 鳥の下腹部に注目して欲しい。 
 鹿の尾っぽのようなものが消え、ANZUの開脚した短い脚に代っている。「へそ」のような突起まで出来ている。
 
 ANZUの威厳が失われている。本来の姿に近くしようと、学問上、作り変えたのか。あるいは、壊れたので、勝手に改変したのか。
 そもそも、英国の遺産ではない訳なんだし、事情を知りたい。
 
 
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 昨日は、沖縄慰霊の日。沖縄生まれの友達に、此れを読め、といわれた本の後書きにこうある。
 「沖縄には敗戦記念日の日が年二回ある。二人の将軍が自決して事実上沖縄戦が終焉を迎えた六月二三日と、天皇が無条件降伏の詔勅を世界に向けて発信した八月十五日の二回である。その空白の五三日間こそ、十数万の敗残兵と沖縄県民を死出の道連れにしたむなしい時間であった」
 
 今年は、8月15日まで、53日間を意識して過ごそうと思う。本は、渡辺憲央「逃げる兵」。