
街の青空古本市で250円で売られていた「日本語の起源」(村山七郎・大林太良共著・恒文社、73年)を買って読んだら、そう、書かれていた箇所に行き当たった。
「よこ・しま」=邪悪なさま
「よこ・ごと」(横辞)=中傷の言葉、
「よこ・なまる」(横訛)=言葉の発音、意味が本来の姿に対し横さまに用いられる、
といった具合に、確かに、横がつく言葉は悪い意味を持っている。
古代ウラル・アルタイ語では、横は「左」(モンゴル語で3эгyн=ゼグン、現代モンゴル語は3YYн=ズーン)の意味を持っているから、日本語も、「左」=「邪悪」=「西」=「横」 だった、と仮想しているのだ。
邪悪なのは、モンゴルでは「東」ということになる。
先生の説は、根本が間違っていた。
東=日の経(たて)に香具山
西=日の緯(よこ)に畝傍山
北=背面(そとも)に耳成山
南=影面(かげとも)のはるかに、吉野山が見えると歌っている。
どういうことか。
邪悪なのはモンゴルでは「左」、日本では「右」だったと考えるしかない。