モンゴルのひばりは、蒙古雲雀。
雲雀(ひばり)でなくて、告天子(こうてんし)の仲間という。
ひばりには、コウテンシ属、ヒメコウテンシ属、ヒバリ属、ハマヒバリ属がある。
蒙古雲雀は「コウテンシ属」。
首の下に蝶ネクタイのような、黒斑がある。そして、なにより、声が美しい。
中国語でも、ヒバリは雲雀。
コウテンシは、「百霊」。モンゴルのヒバリは「蒙古百霊」。
ちがったよび方をする。
内モンゴルの大草原、「百霊廟」のあるあたりは、中国人は、「百霊地」=ひばりの国、とよんだ。
ハズルンド「蒙古の旅」(岩波新書)は、1927年にヘディンの探検隊に参加して、西域にむかったデンマーク人の今よんでも、素晴らしい記録だ。百霊廟では、マイダリ(弥勒菩薩)の祭でチャムを見物したり、愛犬チンを懐にいれた活仏と会話したり、当時のモンゴルの様子が彷彿とする。
ハズルンドは、モンゴルヒバリのことも記録している。
「捕った雛鳥は、彼らが成育して雌雄が決められるまで飼育せられたのち、雌鳥は放たれる」
「捕ったばかりの雲雀は二、三銭で買へるであらうが、最も豊かな天分のものは馬よりも高く売れる」
モンゴル語で、モンゴルヒバリのことをボルジモル という。
モンゴルの小鳥についても、しりたいことがたくさんある。
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仕事場の近くの大学のグラウンドには、つぐみがたくさんいるが、ひばりは、とんとみかけない。