店に
ウイグルの代表的な楽器、ラワープがかけてあった。
ウイグルは音楽も、実に豊かなのだ。
民族音楽のフィールドワーカーだった
小泉文夫さんが、三味線のルーツでもあり、琵琶のルーツでもある
ウイグルのラワープに言及している(「フィールドワーク」、冬樹社、1984年)。
小泉先生は、天山南路と天山北路でラワープの
調弦法がちがうことを発見。三味線とつながるトルコからのものと、琵琶につながる
アフガニスタンからのものと
ウイグルで合流しているとかたっていた。
店にあったのは、沖縄の蛇皮線のように、ヘビの皮をもちいたラワープ。胴のうえの翼のような装飾は、ぼくには「鳥の翼」にみえるのだが、中国の研究家は羊のツノ、「羊角」とする(周菁保)。
馬を愛するモンゴルには、代表的な楽器の
馬頭琴に「馬」の装飾があるように、
ウイグルの楽器にも「鳥」の装飾があっていいとおもう。なんたって、
ウイグルは、
ハヤブサが回る=「回鶻」と表記されたのだから。
ラワープには、
カシュガル・ラワープなど、新旧4タイプのラワープがあるらしい。
店にあったラワープの装飾は、
ハヤブサ独特の翼に、実によくにている。