しかし、目印になるくらいだから、柳が東京の街中からへっているのだろう。
北京の柳
ちょっと、気分がしずんでいるので、家にかえって、「WILLOW WEEP FOR ME」をきく。柳でいやされようとー。 マル・ウォルドロンのピアノで。
気持がますます、おちこみそうなので、いっそと、沖縄の「柳(やなじ)節」にかえてしまう。 ろうろうと、ゆったりと。これはいい。幸地亀千代さんの唄。 あまりゆっくりなので、なにをうたっているのかさっぱりわからない。
柳はみどり花は紅 人はただ情 梅は匂い
「柳節」は、魔よけの歌としても歌われた、のをおもいだした。「鳥が、家の中に入った時などに歌われたという」と、山里純一著「沖縄の魔除けとまじない」にかかれている。
野鳥が室内に入るのは、沖縄では、不吉なことらしい。 本土でも、昔はそうだった。
鎌倉幕府で、千鳥や、小鷹が館にはいって大さわぎした記録が残っている。「吾妻鏡」元仁2(1225)年8月。千鳥が御所の侍所内で飛行したので、あわてて占った。その 結果は「御病事火事の由」。主君の病気や火事につながる不吉な予兆だと。
同年の2月24日にも、 「小鷹一羽、雀を取りて御所の中門の廊内に飛び入」った、とある。若君(頼経)にその小鷹を献じたことに、陰陽師が疑義をとなえた。野鳥が室内に入れば主人は避けるものと、「文選」にある。 不吉なものだと。
それにしたも、なぜ柳が厄よけにきくのか。中国では、「柳が桃と同じように悪鬼を退ける力があると信じられていた」と山里さん。
わかったような、わからんような、柳の力。