薄田泣菫
船川未乾画伯が創元社の刊行物を集中的に装幀をした経緯を知りたくなった。 同出版社を創設した矢部良策の人生を綴った格好の著作、大谷晃一「ある出版人の肖像―矢部良策と創元社」(88年、創元社)を見つけた。 創元社は、大正14年(1925)、父・矢…
息子夫婦が近所に越して来てから久しく、孫を連れて遊びによく来るが、先だっては、夫婦で訪ねた京都の寺の話になった。副住職に檀家の墓地に連れていかれ、周囲の墓をペタペタ叩いて、墓石の説明をされたという。ペタペタペタペタ。止むことがなく、そんな…
薄田泣菫のエッセイはやはり面白い。大正時代の人物や時代の空気が伝わってくるからということもあるが、関心を持っている人物が近いということもある。 好きな元禄の俳人、宝井其角も泣菫の「茶話」に登場する。「36計逃げるに如かず」のエピソードを持つ…
ボストン駅での、ピアニスト・パデレフスキと靴磨き少年のエピソードを、どうして、薄田泣菫が手に入れて書いたのか。きっとネタがあったのだろう。ちょっと探ってみた。 1917年に薄田は書いているが、パデレフスキの初渡米は1891年。26年前のこと…
神保町の猫のいる古レコード店で見つけては買い込んでいるピアニスト・パデレフスキのLPレコードが溜まってきた。なにせ、1860年に生まれ、1941年に亡くなっている世代の演奏家なので、時々音楽会に一緒に行く知人に話をふっても、まったく興味を…
「黒猫」を書いた薄田泣菫に興味を持って、随筆を読み始めている。「茶話(ちゃばなし)」には、明治、大正期の名だたる政治家、作家、画家、学者の素顔を描き、時に笑い飛ばしている。歴史学者の喜田貞吉もお婆さんのような笑顔をからかわれ、「広辞苑」の…
クリスマスまでの期間、近所のコーヒーチェーン店で、「ふちねこ」のサービスをしている。きょうも仲間3人でランチを済ませた後、覗いた。レシート3枚で、箱に入ったふちねこを選ぶことができる。ただし、袋詰めなので、5,6種類のうちどれを選べるかわ…