2019-01-01から1年間の記事一覧

上代日向研究所について(3)

ロサンゼルス、シアトル、バンクーバーなど海外から贈られた石材も活用して建立された「八紘之基柱」の紀元二千六百年奉祝事業と違い、上代日向研究所の開所は手間取り、開所式は翌昭和16年8月8日に行われた。 研究所は、宮崎県立図書館内に置かれた。そ…

上代日向研究所について(2)

上代日向研究所には、前述のメンバーのほか、宮崎県立中学校教諭の廣田孝一氏が委員として嘱託されていた。 京都帝大で西洋史を学んだので、歴史の教諭だったのだろうか。 生れは京都だが、高知で育ち、徳島夜間中の教諭をしていた昭和12年(1937年)…

上代日向研究所のこと

球春、プロ野球のキャンプもたけなわ。テレビのスポーツニュースをぼんやりと眺めながら、幾度か訪ねたソフトバンクやジャイアンツの宮崎キャンプを思い出す。 サク越えの当たりを連発する野手を見て騙されたものだ。ブルペンで速球を投げ、仕上がりの早い投…

消えた文庫本の気になる装丁

オフィスの近所に、古本店「手文庫」がある、というかあった。 文庫本ばかり扱っていて、仕事の帰りに立ちよった。 結構知らない昔の文庫本があるのだった。 創芸社の出した「近代文庫」は、存在すら知らなかった。 創芸社の住所を見ると、ご近所の千代田区…

丹波与作が気になって

与作といえば、北島三郎のヒット曲で、トントントンと木を切る与作を思いうかべてしまうが、武士になった丹波の馬方、丹波与作は、江戸時代「有名キャラ」だった。 鈴鹿馬子唄にも、丹波与作が登場している。 東海道53次は、44石薬師、45庄野、46亀…

半年寝て暮す篠山デカンショ節

京都・伏見の蔵元を訪ねたことがある。 酒造りは、10月初めから春先の約半年間。但馬杜氏がやってきて、新酒を拵える。造り終えた後、杜氏は帰郷してしまうが、休業補償もかねて、1年間の「給料」を支払っていると蔵元は話していた。 「デカンショ、デカ…

福知山城の石垣にギョッとしたこと

神田神保町の三省堂書店2階で本棚を見渡すと、新書部門で鵜飼秀徳さんの「寺院抹殺」が売れ行き6位だった。明治維新の廃仏毀釈を扱った文春新書。面白そうなので、早速読んでみることにした。 神仏分離を決めた明治政府の動きを受け、維新後各地で、仏像、経…