丹波の国

芋銭泊雲の書簡集に描かれた恒友

俳人西山泊雲の生家の丹波の西山酒造場が、泊雲と小川芋銭の大正5年から昭和13年の手紙のやり取りを立派な本にしていたことを知り、慌てて連絡した。「芋銭泊雲来往書簡集」。3年前の発行だったが、在庫があるというので取り寄せた。 2人の書簡には、共…

丹波与作が気になって

与作といえば、北島三郎のヒット曲で、トントントンと木を切る与作を思いうかべてしまうが、武士になった丹波の馬方、丹波与作は、江戸時代「有名キャラ」だった。 鈴鹿馬子唄にも、丹波与作が登場している。 東海道53次は、44石薬師、45庄野、46亀…

半年寝て暮す篠山デカンショ節

京都・伏見の蔵元を訪ねたことがある。 酒造りは、10月初めから春先の約半年間。但馬杜氏がやってきて、新酒を拵える。造り終えた後、杜氏は帰郷してしまうが、休業補償もかねて、1年間の「給料」を支払っていると蔵元は話していた。 「デカンショ、デカ…

福知山城の石垣にギョッとしたこと

神田神保町の三省堂書店2階で本棚を見渡すと、新書部門で鵜飼秀徳さんの「寺院抹殺」が売れ行き6位だった。明治維新の廃仏毀釈を扱った文春新書。面白そうなので、早速読んでみることにした。 神仏分離を決めた明治政府の動きを受け、維新後各地で、仏像、経…

大掃除と由良の門と

今年の年の瀬は、大掃除、お宮参りと結構忙しい。掃除した部屋から、歌留多が出てきた。正月歌留多をすることもなくなった。 恋歌留多 蘆のかりねも 由良の門も という森澄雄の正月の句を思い出した。 難波江の 蘆のかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや 恋ひ…

亀岡の砥石

桜石の産地周辺には、さらにお宝の山があるのを知った。 亀岡市の湯の花温泉をなお、篠山、福知山方面に進むと、高品質の砥石がとれる丸尾山がある。最近、休日の料理が趣味になったので、包丁を研ぐ砥石には興味津々だ。 調べると、亀岡市のふるさと納税の…

丹波の桜石

京都の嵯峨野の寺と縁ができてから、嵯峨野から保津川を遡っていった丹波もまた、興味深い地であることに気づいた。嵯峨野の寺に、丹波の俳人、西山泊雲、野村泊月の句碑があるように、山陰本線で丹波と嵯峨野はしっかり結びついている。 夏に、丹波の亀岡か…