大掃除と由良の門と

 今年の年の瀬は、大掃除、お宮参りと結構忙しい。掃除した部屋から、歌留多が出てきた。正月歌留多をすることもなくなった。

 

 恋歌留多 蘆のかりねも 由良の門も

 

 という森澄雄の正月の句を思い出した。

 

 難波江の 蘆のかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや 恋ひわたるべき
 
 由良のとを 渡る舟人かぢをたえ ゆくへも知らぬ 恋の道かな

 

 仮寝の一夜も面倒だし、行く末も分からない冒険は御免だし、まあ、もう色恋の年でもないというわけで、小倉百人一首は若い人にお任せである。

  

 由良の門のほうは、丹後の役人だった曾禰好忠(そねのよしただ)が作者なので、由良川の河口とされる。船頭も楫をとられる急な流れで知られたのであろう。
 
  イメージ 1
  

 上流の福知山で、雪の由良川を訪ねたことがあるが、速い流れにびっくりした。水量が豊かで、どーっと押し出す迫力に、ちょっと恐怖感を抱いた。由良川は暴れ川で、福知山でも洪水をたびたび起こしているのを知った。

 この水流に巻き込まれたら、もう、自分の意志では、将来は変えられまい。

 歌留多は封印である。