2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

六爾に託した米吉のこと

歴史学者としての三宅米吉について、なお書いておきたいことがある。 今から振り返ると、晩年の大きな役割は、考古学徒の森本六爾を支援して、育てようとした事だったように思う。奈良県磯城郡(桜井市)で生まれ、地元で熱心に研究を進めていた若き森本は、…

「晩夏」と2人ぼっちの寂しさ

高校時代に友人と2人、諏訪の寺でひと夏を過ごしていたので、高原の「晩夏」のさみしさは知っている。夏休暇が終るという焦りもあるが、7月に寺に来た時の、盛夏の村の様子が明らかに変わり、刺すような日差しも鈍くなり、セミの鳴き声もおとなしくなり、あ…

「FBI」とハヤブサ

猫に邪魔されないものを、WOWOWオンデマンドで見るしかない。 米CBSの人気シリーズ「FBI 特別捜査班」。主演女優がカナダ出身のMissy Peregrym。ハヤブサperegrineに、似た発音、スペルの名前なので、ワシタカ類に関心をもつ者として、前から気に…

猛暑日の猫

「ワイルド・ライフ」などテレビの動物番組を鑑賞する我が家の猫は、さらに関心を広げ、PCのバレエ動画にも関心を示すようになった。 WOWOWオンデマンドで、英ロイヤルバレエ団「不思議の国のアリス」を見ていたところ、猫が机に飛び乗ってきた。目ま…

ひとまず休止の甲鳥書林探索

猫の検印に出くわしたのが始まりだった。 甲鳥書林の検印紙が気にかかり、少しずつ調べてみると、また気にかかることが出てくる、といった具合だ。 甲鳥書林の検印紙は、それぞれ、大きさやデザイン細部が違って居る。 大きな堀辰雄の検印紙は、5.5㌢×4.8㌢…

麦南句集の印

甲鳥書林の書籍のなか、「人音 西島麦南句集」(昭和16年)は凝った検印紙に動じず、普通の印を捺してあった。 西島は23歳から5年間、「新しき村」に参加した。そのためか、武者小路実篤が装幀を担当して野菜や果物(柿)の絵を描いている。 目を通すと、…

一琴一硯之楽の新たなナゾ

昼寝覚め、散歩がてら図書館まで、予約しておいた堀辰雄全集8巻「書簡」(大正11年~昭和28年)を受け取りに出た。 手に取ってすぐ、昭和16年の辺りを開くと、偶然にも8月25日軽井沢から、義弟加藤俊彦にあてた速達便・封書の掲載された246-2…