5-60年代のカバーデザイン

 休日なので、前夜のうちにラフテーと味付け玉子を作り、今朝沖縄そばを湯掻き、それにのせて、細と食べた。ラフテーが今回も固い。細は「圧力なべを使ったらどうか」というが、沖縄の人は普通に柔らかくできているから、もう少し試行錯誤を続けることにする。

 

 午後に孫が遊びに来るというので、それまで独りの時間を大切にしようと、レコードを聴くことにする。

 

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 神保町の猫のいる古レコード店では、ジャズのLPも購入している。最近はジャケットデザインで、選んでいる。デザインのいいものは、演奏、録音、編集も手を抜いていない。

 

 デイブ・マケンナ「ソロ・ピアノ」もそんな一枚だ。分解したピアノの鍵盤の一本一本を並べている。白鍵が目立つように、左半分をあさぎ色にプリントして浮き立たせている。初めは何か分からなかった。

 COVER BY BURT GOLDBLATT

の記述があり、マサチューセッツ生まれのアート・ディレクター、バート・ゴールドブラット(1924-2006)の手掛けたものだった。50-60年代のジャズアルバムのデザインを多数担当した。

 

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 ほかにも彼の作品が家にあるか探したところ、同時代のグラフィック・デザイナー、リード・マイルス(1927-1993)のものが沢山出てきた。

 舗道を歩く女性の足、送電線、店の扉など、都会の光景の一コマを大胆にトリミングしたデザイン。BLUE NOTEレーベルで仕事をしていたので数も多い。

 

 ジャズに興味を持ったのは、音楽とともに、演奏家たちの住む町の匂いを伝えてくれるジャケットカバーの影響も強かったのだと、あらためて思う。

 

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 写真もいい。NY生まれの写真家ヒュー・ベル(HUGH BELL、1927-2012)が撮影した若くして亡くなったトランペット奏者、トニー・フラッセラの煙草を指に挟んで横を向いた表情。

 トロンボーンに腕を通しリラックスしたベニー・グリーンの笑顔を捉えたのは、NY生まれの写真家スティーブ・スカピロ(1934生まれ)。報道写真家として、1965年の公民権運動のアラバマ州セルマの血の日曜日事件で知られ、また、映画「ゴッド・ファーザー」「タクシー・ドライバー」でスティール写真を担当して俳優たちを撮影しているのだという。

 

 50-60年代のNYの香りを嗅ぎながら、ひと休み、である。