猫を枕と勘違いした話

 錦織圭の活躍があって、全仏オープンテニスの深夜のTV中継に熱中している細は寝不足の日々を送っているが、猫が被害に遭った。やっと眠りについた細のそばに行き、脇でスヤスヤ眠っていたところ、寝ぼけた細が枕と間違え猫を引き寄せて、頭を載せてしまったのだ。
 おとなしくしていた猫も、枕代わりにされ頭の全重量が託される瞬間、危機を悟って、ニャオッ、と怒りの声をあげ難を逃れたそうだ。
 
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 猫は頭から尾の先まで80センチ。首元から尾の付け根まで40センチ。枕向きのサイズではある。
 最近は猫の顔のマッサージ付クッションとか、猫の陶枕(とうちん)などあるようだが、間違えて生き物を枕にするのは反則だ。
 
 猫をデザインした枕は、古くからあるのだとろうか。枕の動物のデザインには、唐の時代の三彩に「鴛鴦」=オシドリが描かれるものがあった。
 唐三彩の陶枕は日本に輸入され、福岡の鴻臚館跡からはオシドリ文の陶枕が出土している。オシドリ夫婦円満の表象であろう。葬儀用の明器としてばかりか、実用に用いたとされる。
 
 猫に似たものでは、宋代に虎をかたどった陶枕が出回る。こちらも日本に輸入されていれば面白いのだが、痕跡がないようだ。