赤い頭が雷神の使いの印

 雷神の使いとされたヨーロッパのクワガタムシは特徴がある。オスの角、つまり大あごの部分だけが、やたら赤いのだ。ヨーロッパミヤマクワガタという。
 
 雷神の使いとされるのは、この頭部の鮮明な赤のせいではないだろうか。
 というのもー。
 まず日本のライチョウをみてみよう。なぜ、雷の鳥なのか。ライチョウのオスもまた、頭部が赤い。赤い肉冠で、上部はギザギザ。繁殖期が近づくと、色が顕著になる。
 これが、雷神の使いの印とみられたのではないか。
 
 偶然でなければ、欧州と日本と共通項があることになる。
 雷の手下ではないが、日本の古代の神話、伝承には雷をとらえるスガルが登場する。スガルは、頭に赤い蔓を巻いていた(日本霊異記)とある。
 
   赤い頭の雷神の使い探しは、ゆっくり始めてゆこう。