ヘビとハシボソガラス

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 久しぶりに多摩のゴルフ場へでかけた。前は、狸がいた。今日はなにに出あうかとおもったら、バンカーでカラスが、蛇をつついていた。
 
 カラスがさらに一羽とんできて、蛇の分け前を手にいれようと、クチバシをいれる。グリーンの上から、こわごわながめていると、最初のカラスが弱った蛇をくわえて、松の枝へとびうつった。
 キャディーさんは遠目に、「まむしか、やまかがしでしょうか」と怖いことをいいだすので、「いや、小さいし、ジムグリでしょう」と、あてずっぽうでこたえた。
 
 志賀直哉の短編小説に、モズがジムグリと格闘するのがあるのを思いだしたのだ。作品の中では、モズは、ジムグリに足をまきつかれながらとび、蛇を枝にひっかけ、ともに地面におちてしまう。
 
  ゴルフ場のカラスは、モズとちがって、蛇を軽くあしらいながら簡単に餌食にした。ハシボソガラスだろう。キャディーさんによると、最近、カラスがフクロウのひなを襲ったばかりだという。巣からおちたフクロウの赤ん坊をクラブハウスまで運んで面倒をみているが、はやく巣にもどさないと、親鳥がそだてなくなる、と心配していた。
 
 ハシボソガラスといえば、4月イタリアのプロサッカー、ラツィオの地元開催の前、クラブのマスコットの鷲を、鷹匠がスタジアムの上空で飛翔させたところ、一羽のハシボソカラスがとびかかり、攻撃する出来事があった。アタックする瞬間の写真を、ロイター通信などが配信した。
 
 
 鷲は、アメリカン・ゴールデン・イーグルといって、アリゾナにいる大きなイヌワシの仲間だという。プレーリードッグや鳥などをおそう猛禽類だ。ラツィオでは、マスコットとして飼育されていて、ジェット機で移動する様子もつたえられている。
  鷲をおそうカラスとしては、オオワシにちょっかいをだすワタリガラスがいるけれど、街中にいるハシボソカラスが鷲をおそうとはびっくりだ。あるいは、おそったのではなくて、いたずらをかましたのかもしれない。あなどれない、ハシボソガラス
 
 バンカーで蛇を退治してくれて、今回はありがたかったけれど。
 
 【注】上の写真は、六義園のカラス